2005 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経系反応パタンのポリグラフ解析による無実判定法
Project/Area Number |
15530484
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
廣田 昭久 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (40266060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 則美 江戸川大学, 社会学部, 教授 (70356161)
松田 いづみ 科学警察研究所, 法科学第四部, 研究員 (80356162)
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Keywords | ポリグラフ検査 / 有罪 / 無実 / 裁決項目 / 反応パタン / 末梢血管抵抗 / 多変量解析法 / 潜在クラス的判別法 |
Research Abstract |
ポリグラフ検査の裁決項目質問時に出現する、一定の反応変化方向を有した特徴的な反応パタン(裁決パタン)をもとにして、個人内で複数の質問項目から真の裁決項目を特定する方法、ならびに裁決項目が含まれない無実条件を特定する方法について検討した。また、有罪条件と無実条件を判別する統計解析手法について検討した。 模擬窃盗を実行する有罪条件と、窃盗行為を行わない無実条件を設定し、模擬窃盗実施後に、隠し持ったものについて質問するポリグラフ検査を実施した。質問呈示後の25秒間を5秒毎の分析区間に分け、各生理反応の大きさについて、各項目毎にその項目とそれ以外の項目間で有意差を求め、有意差の方向が裁決パタンと一致する率・矛盾する率を求めた。その結果、裁決パタンとの全体的な一致率、有意差が得られた区間数、末梢血管抵抗と心拍数が裁決パタンと一致するか否かを基準として、80%の被験者において裁決項目を識別できることが示された。また、無実条件では有罪条件と比べて、いずれの生理測度においても有意差の得られる区間数が少なく、また、その有意差が裁決パタンと一致する率、矛盾する率はほぼ等しかった。以上の結果から、裁決項目の同定も、無実条件の判別も、有意な差の出現率と裁決パタンとの一致・矛盾率から判断が可能であることが示された。 一方、有罪条件と無実条件の統計的な判定方法を考案する目的から、潜在クラス的判別法という新たな多変量解析法の可能性について検討した。この方法では、生理反応傾向の個人差を考慮して、各被験者に合った判別式を求める。この方法と従来法(ロジスティック解析、判別分析)とを有罪・無実条件の正判定率について比較した結果、潜在クラス的判別法は従来の多変量解析法よりも正判定率が高いことが明らかとなり、有罪・無実を判断する統計解析法としてより妥当な方法であることが示された。
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Research Products
(1 results)