2003 Fiscal Year Annual Research Report
学校の裁量権拡大と校長の意思決定構造の変容に関する研究
Project/Area Number |
15530489
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 弘道 筑波大学, 教育学系, 教授 (80030584)
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Keywords | 学校経営 / 意思決定 / 学校の裁量権限 / 学校理事会 |
Research Abstract |
本研究は、現代の学校経営改革が達成すべき目標のひとつとした学校の裁量権拡大の進展状況に見られる校長の意思決定構造の変容を学校調査を通して解明することを目的としている。 平成15年度は、各種の調査や言説に見られる学校の裁量権拡大にかかわる評価・解釈を整理し、そこでは校長の意思決定構造の変容についてどう認識されているかを明らかにすることであった。このために学校の意思決定をどう見るかについての検討が不可欠であると考え、その枠組みについて日本の学校経営研究やバーナードとサイモンの意思決定論をひもとき、理論的に解明することにした。また実際の意思決定過程や構造を明らかにする必要に迫られ、限られたものではあったが、インタビュー等で学校の実態調査を行った。さらに学校の意思決定にかかわる政策・行政分析を行った。 今年度、重視したのは「新しいタイプの学校運営」における意思形成・決定の構造である。そのためにその研究指定校の東京都足立区立五反野小学校における学校理事会の実態調査を行った。また学校選択制をとっている品川区の学校調査を行った。前者については、日本教育学会第62回大会で「学校のガバナンスとマネジメントに関する総合的研究」として発表した。それは同学会機関誌『教育学研究』に掲載予定である。後者についてはまとめる段階ではないが、そこから得た知見に基づいて『学校における「情報提供」と「外部評価」の進め方』を著した。 学校の意思決定は校長の職務権限及びリーダーシップの在り方と深く関係している。このことから現代の学校経営改革における校長の役割と力量構造の変容についても検討を深めた。さらにそれに対応する校長養成の在り方を大学院教育の可能性という角度から検討を進めた。そうした研究の一部は『校長の資格・養成と大学院の役割』の中に反映されている。
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Research Products
(1 results)