2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本植民地統治下台湾におけるミッション・スクールの研究
Project/Area Number |
15530502
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒込 武 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (80221977)
|
Keywords | 植民地支配 / 台湾 / 朝鮮 / 教育学 / アメリカ / イギリス / カナダ / キリスト教 |
Research Abstract |
今年度は、ロンドンのイギリス公文書館において、イギリス外務省文書、イギリス海軍省文書などの資料調査を行った。このような資料調査が必要だったのは、台湾におけるイギリス系ミッション・スクールに対する排撃運動が、同時代の日英関係における軍事的・政治的な緊張に連動していることが判明しているためである。具体的には、イギリスの商船Langleebrok号の船員が台湾の軍部によってスパイ容疑をかけられた事件や、イギリス海軍の船員が台湾の港町基隆において警察の取り調べて殴打された事件などが「反英運動」としての性格を持っていることに着目して資料を収集、分析した。 また、昨年度、アメリカにおいてアメリカ国務省文書およびアメリカ長老教会文書の調査を行った際に収集した資料の分析を通じて、1930年代の日本内地・台湾・朝鮮におけるミッション・スクール排撃運動が相互に複雑に連鎖していたことを論証し、その研究成果を『立教学院史研究』(2005年5月)に発表したほか、この作業の延長線上で主に朝鮮におけるミッション・スクールに焦点をあてて分析した論文を『岩波講座アジア太平洋戦争 第4巻』に公表した。 また、上述のような実証研究の基底に存在する課題意識および方法論にかかわる論考を『年報日本現代史』で発表、欧米における植民地研究の動向をふまえながら、欧米帝国主義と日本帝国主義を統一的な視野から問題とする必要性について論じた。
|
Research Products
(3 results)