2003 Fiscal Year Annual Research Report
教育活動を支援するための新しいタイプの小学校施設・設備計画の研究
Project/Area Number |
15530528
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Research Institution | Tokai Women's Junior College |
Principal Investigator |
笠井 尚 東海女子短期大学, 児童教育学科, 助教授 (10233686)
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Keywords | 学校施設 / 学校建築 / 小学校 / オープンスペース / 学習環境 |
Research Abstract |
1.犬山市における小学校施設改築計画(素案)の作成 愛知県犬山市教育委員会において「学びの学校建築検討委員会」を組織し、審議を行った。委員は教員を中心とする構成として、教育活動とのつながりから学校施設・設備の構想を考えた。前年度に研究代表者が犬山教委と作成した「学びの学校建築基本構想素案(案)」をたたき台として、これを検証することを課題の中心にすえて作業を行った。 審議の最初の段階では、学校への不審者侵入事件のインパクトもあって、学校のセキュリティ問題について議論が集中し、新しい学校施設についての提案がなかなか出なかった。しかし、審議の後半に入って、委員の一部から特徴的な提案がなされるようになった。それらの提案は、まだ個人的な意見という性格を有しているが、今後はそれを材料として教員集団の中で学校施設計画の議論を深め、意見集約を行っていく必要がある。 2.国内・海外における小学校施設調査 国内調査は、埼玉県志木市において行った。志木市の事例からは、新設校舎、既存校舎それぞれにおける学社融合の方法について示唆を得ることができた。国外調査は、アメリカ合衆国カリフォルニア州で行った。オークランドで4校、バークレイ、サンノゼで各1校の計6校の小学校を調査した。これらの学校では、ポータブル(プレハブ)教室を積極的に利用する、古い校舎を有効に利用しながら居心地のよい環境を整える、教室内の家具や教材を効果的に配置する、オープンスペース校も残っているなどの特徴が見られた。 検討委員会では、他の学校施設に関する視覚情報の提供と専門家による助言を併用することが議論によい影響を与えることがわかったので、今後は、さらに学校施設調査を進めるとともに、それらの知見を積極的に活用する必要がある。
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