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2005 Fiscal Year Annual Research Report

多民族社会における多民族共生教育と民族教育の整合性に関する比較研究

Research Project

Project/Area Number 15530545
Research InstitutionKYUSHU UNIVERSITY

Principal Investigator

竹熊 尚夫  九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (10264003)

Keywords多民族社会 / 多民族共生教育 / 民族教育 / 中華系学校 / 多文化教育 / 民族共生
Research Abstract

本年度は以下の調査・研究を行った。オーストラリア、アデレードおよびパースでの現地調査を行った。民族教育に関わることであるが、行政側、コミュニティ側、学校側が地域社会への融合、協調が相互の妥協、あるいは歩み寄りを基にして進められていた。この点で、市民性や学校教育の理念、伝達される知識の棲み分けが制度的な相違として、相互補完的に進められている例としてオーストラリアは位置するように思われる。例えば、「補習校」としての意味が母国の教育課程から見た場合に「補習」と位置づけられるが、これは現地で定住、或いは現地校を主立つ教育の場としている場合、民族言語を学ぶことができる、その背後にある文化習慣を理解することができる「学校」として見ることができる。オーストラリアの中華系補習校のエスニック・スクールの場合、文化や社会の理解はあくまでも二次的なものであるかもしれないが、そうした状況であるが故に、連邦・州政府も資金援助が容易であるし、地域社会の協力即ち学校の土日の貸借も可能となるようである。宗教的、国家イデオロギー的な衝突はイスラム教以外で学校ではそれほどトラブルとなっていないのは、言語学習を協調しているためであると考えられる。カルチュラル・スタディは民族学校から見ればある程度妥協を必要とするもので、言語学習の背後や課外活動としての取り上げられ方が見受けられた。総合的比較考察として、W.キムリッカの提唱した民族集団を二つに分ける視点、即ち、土地、組織、社会文化に加え、民族学校(宗教機関が民族動員機能として見られているが)が、集住或いは散住の違いはあるものの民族コミュニティを社会へと統合する機能を持つものとして指摘した。公教育との接点として、行政側、マイノリティ側からの双方の歩み寄りや摺り合わせは言語教育を出発点とするが、その背後にある宗教や文化的整合性には更なる取り組みが必要である。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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