2005 Fiscal Year Annual Research Report
美術鑑賞におけるレパートリーの分析とそのスキル習得のための教材開発
Project/Area Number |
15530565
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
石崎 和宏 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (80250869)
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Keywords | 美術鑑賞 / レパートリー / スキル / 教材開発 / 美術教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、視覚美術に対する美的感受性の発達の特徴の解明を進め、さらにその発達的知見から学習の適時性に注目して、美術鑑賞におけるさまざまなスキルを習得する教育ソフトウェアを開発し、その有用性と課題を検証することである。 本年度は研究の第三段階として、鑑賞レパートリーの理論的枠組みを応用しつつ、美術鑑賞文作成過程における鑑賞レパートリーの分析と学習支援ソフトウェア教材の効果について、以下のような手順で考察を進め、以下のような成果を得た。 第一は、美術鑑賞学習支援ソフトウェア「アート・リポーター」の改善を進めた。特に、学習者の鑑賞文作成過程において、ソフト内のレパートリー習得支援ツールがどの程度かかわっているかを量的に分析するために、操作履歴の保存機能を取り入れて、プログラムの構造、コンテンツならびにインターフェイスの問題点を改良し、調査データを収集した。 第二は、美術鑑賞レパートリーの構造とそれに基づく分析基準を活用して、学習者の美術鑑賞文作成過程における鑑賞レパートリーの特徴を分析した。具体的には、対象を中学生から大学院生にまで拡大し、その美術鑑賞文を分析し、発達的に鑑賞スキルがどのように変化するかを量的分析によって明示し、また、その発達変化におけるレパートリーの累積性を検証した。さらに、エフランド(Efland, A.1995)が示した格子構造の視点を取り入れ、複合型のレパートリー構造をモデル化し、鑑賞文の事例分析から鑑賞レパートリーの典型的なパターンを明確化した。また、複合型と判定される事例を取り上げて、「アート・リポーター」において複合型への移行の刺激となったツールとのかかわりを分析し、鑑賞スキルの熟達に関する学習要因を検討するとともに、鑑賞学習における熟達化の知見からの今後の課題を提示した。 なお、本年度の研究成果は、第28回美術科教育学会(京都教育大学)において発表した。
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Research Products
(1 results)