2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530567
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
首藤 敏元 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30187504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 克美 愛知学院大学, 総合政策学部, 教授 (20135271)
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Keywords | 道徳教育 / 幼稚園教育 / 多文化教育 / 教育プログラム / 対人葛藤 / 教師の援助 / 評価 / 社会的領域理論 |
Research Abstract |
小中学校と比べ、幼稚園教育には幼児の道徳発達を援助するプログラムはわずかしか存在しない。本研究の目的は、幼稚園における道徳教育プログラムを開発することである。本研究では、子どもの道徳発達に関する心理学的研究の成果を踏まえ、また幼稚園現場での実践事例の収集と分析を通して、幼児期の子どもの道徳的自律を支える環境づくり、道徳的体験を促す活動と仲間遊び、道徳教育に有効な絵本等の資料、教師の役割を包含した教育プログラムを開発する。さらに、このプログラムの評価を目的として、幼児の道徳発達と学級の道徳的雰囲気を測定する方法を考案する。 平成18年度は、教育実践の効果を教師の自己評価と保護者による評価を手がかりにして測定し、プログラムの効果を検証した。 研究1では多文化教育を実践するA幼稚園を舞台として、多文化教育実践内容の把握、実践が保育者及び日本の幼児に与える効果をインタビューにより調査した。15名の保育者と外国人幼児の保護者5名を対象にした聞き取り調査の結果、母語による園行事の説明、母語で書かれたプリントの配布、日本の幼児と保護者への文化紹介の実践が、外国人幼児の保護者の日本の幼児教育への評価を高め、保護者同士の関係を民主的及び円滑にしていることが示唆された。また、すべての保育者が日本の幼児の向社会的な発達を促すと評価した。 研究2では幼稚園での小動物の飼育を用いた道徳教育、及び集団場面での絵本を用いた教育実践をプログラム化した。これまでの研究成果を踏まえ、5歳児の研究データから3歳〜4歳の学級へ応用するため、プログラムに含める小動物、特にムシ類の飼育方法、及び絵本のレパートリーを増やした。それを10名の幼稚園教師に評価してもらった。昨年までと同様に、3年間のプログラムは妥当性、実用性、経済性、発展可能性のすべての観点で高い評価が得られた。
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Research Products
(7 results)