2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校農業教育の教育課程表の分析と実習の位置づけに関する研究
Project/Area Number |
15530568
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大河内 信夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (40026620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 一好 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (70026623)
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Keywords | 農業教育 / カリキュラム分析 / 総合実習 / 実習評価 |
Research Abstract |
研究代表者大河内信夫はおよび名取一好は、前年度に引き続き総合実習の評価法について、議論を深め全国調査の項目を検討し、総合実習の位置づけ、実習の形態、教科農業の特徴である時間表外実習の位置づけ、長期実習(農家実習、海外研修)の有無、実習内容の項目、実習日誌を前提に評価方法を出席、態度、レポート(報告書)、試験について評価対象の有無を調査項目として整理し、全国の農業関係学科を設置している高等学校に調査依頼した。平成17年2月現在回収率は54%となっている。 調査を実施するにあたって、本年度は沖縄県立北部農林高等学校、兵庫県立播磨農業高等学校他を現地調査し、実習担当者から聞き取り調査を行った。実習評価については、学校によって評価細目をさだめている場合から、総合評価として態度・意欲・興味関心による形成的な評価まであった。 前年に引き続き中等教育の農業教育において、実習をどのように位置づけてきたかを明らかにするため、戦後の教育改革を通じて高等学校農業教育にプロジェクト法を紹介、推進した厚沢留次郎の著作を中心に、戦後の農業教育における実習の位置づけを検討した。戦後の農地改革期から高度成長期で農業教育は農業政策の影響を強く受けると同時に、農工間の所得格差の広がりは基本法農政の理念と矛盾するなかで、農業教育の目的論にも影響を及ぼしたと見られる。後継者養成の目的は、農業施策上の制約に由来し、農家子弟教育の継承であって、農業の後継者養成として機能しなかった。実習もこの枠組みから抜け出せなかったと推察された。
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