2004 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な学習における学習者の認識の深まりを促す教育内容・方法の開発研究
Project/Area Number |
15530609
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
下田 好行 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (70196559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 昌弘 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (80193093)
松尾 知明 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 主任研究官 (80320993)
高浦 勝義 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 部長 (40110093)
生野 金三 西南学院大学, 文学部, 教授 (10187510)
生野 桂子 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10315385)
|
Keywords | 内的必要感 / 内的関係性 / 学習意欲の喚起 / 学力向上 / 学習内容(部分)と日常現実社会(全体)との関連性 / ホリスティックな教材開発 / 学習意欲と児童生徒の心理的距離 / 日常生活、産業(資品・技術)・社会(職業)・人間との関連 |
Research Abstract |
この研究は、平成15・16年度科学研究費補助金(C)(2)「総合的な学習における学習者の認識の深まりを促す教育内容・方法の開発研究-学習者の内的必然性の喚起と振り返り活動を手がかりとして-」に基づいて行われたものである。この研究は、児童生徒の学習意欲の向上のために「内的必要感・内的関係性」を高める教材・単元開発の視点を作り、その視点に基づき実際に教材・単元開発を試み、それを学校現場の実際の授業を通して検証するものである。また、総合的な学習を分析解釈するのに適した「授業リフレクション」という授業研究手法の枠組みを開発し、それを学校現場の授業の中で検証するものである。下田好行は児童生徒の学習意欲を喚起する教材・単元開発の枠組みを構築した。児童生徒には、今行っている学習が「自分にとってどのような意味があるのか」ということを実感できないと、児童生徒の学習に対する意欲は高まらないのである。そこから下田は、内的必要感・内的関係性」を刺激する教材・単元開発の視点を導き出した。すなわち、「(1)学習内容と児童生徒の内面を近づける教材・単元開発、(2)リアルワールドに近づける授業の環境構成、(3)日常生活と関連した教材・単元開発、(4)社会・産業(職業・製品・技術)・人間との関連を意識した教材・単元開発」、を提案した。これらの学習意欲を喚起する教材・単元開発の視点に基づき、教材・単元開発を行い、それを学校現場の授業の中で検証した。また、総合的な学習は従来の教科の授業とは違い、児童生徒の活動主体の授業であり、比較的長期で継続的な単元展開を組む。このようなスタイルの授業に対して、児童生徒の認識の深まりを追えるような授業研究の手法が開発されていないのである。そこで、下田は教師の授業に対する「振り返り」を中心とした「授業リフレクション」の枠組みを開発することにした。そして、この枠組みを使用して、実際に総合的な学習の「授業リフレクション」を行い、その有効性と課題について検討した。今回の授業リフレクションからは、担任の「児童の内面の変化とその心理的脈絡が理解できた」「児童に対する教師の見方が変わった」「授業リフレクションから得た情報をもとに、今後の指導・支援のあり方を導き出すことができた」という変化を確認することができた。このことをもって授業リフレクションの有効性とすることができた。
|
Research Products
(16 results)