2004 Fiscal Year Annual Research Report
特別なニーズのある外国人障害児童生徒の教育的支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
15530615
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳本 雄次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30114143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 仁豪 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80265529)
石井 詩都夫 北海道情報大学, 通信教育部, 教授 (60168169)
浦崎 源次 群馬大学, 教育学部, 教授 (00193962)
那須野 三津子 東京成徳大学, 子ども学部, 講師
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Keywords | 特別なニーズ / 外国人児童生徒 / 個別の指導計画 / 養護学校 / 特殊学級 / 教育的支援 |
Research Abstract |
日本でニューカマーと称される外国人児童生徒の在籍が集中している地区(群馬・静岡・愛知県の数市町)3地区の特別なニーズのある外国人障害児童生徒の在籍する養護学校及び特殊学級設置の小学校の管理職及び担当教員に、対象児童生徒の個別の指導計画の作成、教育内容の選択及び指導体制の現況、指導上の問題点等について半構造化面接調査を実施した。また、当該児の在籍する学級での授業場面の実地観察も併せて行った。その結果、3地区の養護学校にはそれぞれ2〜5名、小学校には1〜2名の対象児が在籍しており、すべて個別の指導計画が作成されており、それに即して個に応じた授業が行われていた。日本滞在が長期(日本生まれを含む)の場合には日本人児童生徒と比べて、教育内容の選択や指導体制に特別な配慮や実践に差異はみられなかった。しかし、日本滞在が短期で、知的障害の軽度のケースでは言語指導上の問題があり、日本語指導と母国の文化や言語の維持への対応が求められていた。重度の知的障害のケースでは、教室では教師との非言語でのコミュニケーションが行われ、言語的問題は小さかった。学校と保護者との連携が、言語的障壁とともに、個々の家庭の状況(来日理由、滞在予定等)により複雑・困難となる事情も推察でき、対象児自身の問題以上に、母国の文化や教育観の相違を考慮することが、解決すべき要因であることが示唆された。なお、シンガポールでの実地調査のうち、当地の国際特殊学校における日本人を含む外国籍の障害児への教育的対応のうち、就学の手続き・申請に関しては資料を分析し学会発表を行った。
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