2005 Fiscal Year Annual Research Report
障害学生のための支援教育プログラムの教育的評価に関する総合的研究
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15530616
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河内 清彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50251004)
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Keywords | 障害学関連講義 / 講義満足度 / 受講科目数 / 障害学生 / 健常学生 / キャンパス内交流 / 自己効力感 |
Research Abstract |
本研究は、障害学関連講義が、障害学生との交流に対する健常学生の自己効力感に及ぼす効果を解明することを目的とした。 調査1では、講義内容が類似しているが、受講対象者が人間学とそれ以外の専攻学生に分かれている2つの講義を選び、2005年2月の最後の授業と2005年4月の最初の授業に出席した学生のうち調査に同意した441名に質問紙調査を実施した。 使用した「交友関係」尺度と「自己主張」尺度の刺激人物の障害種別は、視覚障害、聴覚障害、運動障害及び非障害である。 4障害条件別の尺度得点を、最後の授業と最初の授業での専攻学科別に比較したところ、「交友関係」尺度では人間学専攻生の方が自己効力感が強かったが、講義効果は、視覚障害の刺激人物の場合しか見出されなかった。これに対し、「自己主張」尺度では全ての障害条件で講義後に自己効力感が強くなった。一方、専攻別の差はどの障害条件でも見出されなかった。 調査2では、最後の授業で調査に参加した223名の健常学生を対象に、各障害条件の尺度別に障害学関連講義への満足度と、障害学関連講義の科目数の自己効力感に及ぼす影響を考察した。 その結果、両尺度と受講した科目数の多い学生の方が自己効力感が強かったが、講義満足度の影響については聴覚障害でしか見出されなかった。 以上の結果から、障害学関連講義を受講することは、従来認知変容が難しいとされる障害者との交流場面での本音の行動に関する自己効力感を高める上で、有効な手段となることが示唆された。
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