2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530625
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若松 昭彦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70230919)
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Keywords | 自閉性障害 / 表情 / 動画 |
Research Abstract |
今年度の前半は、本研究課題の基盤を固めるために、以前より投稿中であった研究を、新たな視点からまとめ直し、18〜32歳の知的障害者13名とIQでマッチングした19〜35歳の自閉性障害者13名のデータで再度分析を行って再投稿した。その結果、自閉性障害者が表情の動画を見る場合にも、目よりも口の部分に依存した顔の認知を行っていることが示唆された。この研究は現在印刷中であるが、口に依存しやすい表情刺激が現れる際には、必要に応じて目の部分への注意を促す視覚あるいは聴覚的な手がかりを付加するなど、今後の表情学習プログラムの作成に活かせる知見が得られた。 また、平成14年度に実施した、試作版の表情理解学習プログラムを用いた研究の、特に統制群のデータ収集が本年度にまたがったこともあり、現在、保育園において、3〜6歳の一般幼児各20名ずつの表情理解課題のデータを収集中である。個人差が大きいものの、3歳児でも基本的な表情の理解は可能であるが、目の部分だけが変化する表情に対して、「動いていない」と答えるなど、やはり口の部分により注意が向いているような結果も得られており、こうした反応も含めた発達的な変化を分析していくことによって、本研究で用いた表情動画の理解が可能になる発達年齢の基準を得ることができる。当初の計画より遅れているが、年度内にはデータ収集を終える予定であり、その後、これまでに収集した約30名の自閉性障害児・者の結果との比較などを実施して、その成果発表を行うとともに、表情理解のための評価テストの作成につなげていく。
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Research Products
(1 results)