2004 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害の視点からみた少年非行の分析と予防についての研究
Project/Area Number |
15530628
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
林 隆 山口県立大学, 看護学部, 教授 (20253148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 久美子 山口県立大学, 看護学部, 助教授 (40269080)
中村 仁志 山口県立大学, 看護学部, 助教授 (00172429)
塩川 朋子 山口県立大学, 看護学部, 助手 (40382387)
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Keywords | 少年非行 / 軽度発達障害 / 家裁調査官 / 少年鑑別所 / 注意欠陥 / 多動性障害 / 広汎性発達障害 / 学校・教育環境 / スクールカウンセリング |
Research Abstract |
[目的]少年非行と発達障害の関係についての分析研究以前に、非行臨床の現場では少年非行と発達障害を結びつける視点が極めて少ないのが実状である。非行臨床の現揚で発達障害と少年非行の結びつきについて、明らかにすることを目的に司法・鑑別臨床の当時者の認識を調査した。 [方法]研究の趣旨を了解した上で協力の得られた元職の家庭裁判所調査官(以下、家裁調査官)、現職の少年鑑別所鑑別技官から聴き取り調査を行い、少年非行と発達障害の関係、環境要因特に学校の果たす役割について現場の認識を明らかにする。 [結果]家裁調査官の背景は心理学であり、個人の特性と家庭環境に視点が向きがちで、環境要因=家庭環境という図式を想定しがちである。少年非行の要因として発達障害との関連を深く認識している調査官も一部(東京地裁の藤川洋子調査官)にはいるが、一般的な認識は低く現職の家裁調査官では守秘義務のしばりもあるため、ケース研究なども実施しづらいのが実情である。学校についての認識は管理職の姿勢がポイントであるが、多くの学校で問題を抱える子どもは切り捨てる方向で対応をされることが多く、教育環境は必ずしも支援的な環境になっていない。鑑別臨床の立場からみると、少年非行と発達障害は関係が深いと考えられる。注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の子ども達の非行への関与が多い(先行研究あり)が、一部の予想できない非行の中に広汎性発達障害が関与する場合がある。少年鑑別所に処遇される事例はそれまでに発達障害という診断判断を受けていない。早期診断・早期介入を受けたケースは非行に繋がることはない。教育現場での問題はスクールカウンセリングで、受容・共感モデルは発達障害児には不向きである。子どもの発達プロファイリングと必要な支援を積極的に行うことが重要である。 [考察]非行臨床の現揚では、少年非行と発達障害に深い関係のあることが示された。学校環境の重要性については認知されていたが、問題点の指摘として、スクールカウンセリングを中心とする心理療法的アプローチが、発達障害の子ども達には不向きで、問題をこじらせている可能性も示された。
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Research Products
(5 results)