2003 Fiscal Year Annual Research Report
パソコン使用による視覚障害者英語学習支援システムの開発と英文読解の認知過程の分析
Project/Area Number |
15530632
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 宏 筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター, 助教授 (50177466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真 筑波技術短期大学, 情報処理学科, 講師 (60291853)
青木 和子 筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター, 助教授 (30269287)
長岡 英司 筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター, 教授 (30227996)
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Keywords | 語彙サイズ / 画面読み上げソフト / 視覚障害者 / 読み上げテスト / DAISY / 英語スピーチ・エンジン / 英語学習 / パソコン |
Research Abstract |
視覚障害者の英語教育支援とその認知過程に関する研究として今年度は以下の研究を行った。 1.視覚障害者の英語力不足は視覚障害による英語に接する機会が少ないことに一因があるという仮設を立て、視覚情報を補う音声情報等を付加の英語学習過程に及ぼす効果および音声による読解力テスト方法の開発研究を行った。 2.本研究ではまず高等教育機関に在籍する視覚障害者の語彙力を一般大学生と比較するために本学学生で測定した。語彙数は700語から3700語(上限4000語に設定したテストで推定)であり、分散が大きく必ずしも日本の大学生の標準2000語程度と推定している先行研究(中條2002、他)とかけ離れるものではなかった。 3.視覚障害者の英語読みの問題は視覚による情報摂取の困難さから読みへの心理的負担や経験不足が原因していると考えreadKONという英文読み支援ソフトを開発した。これは合成音声(英語スピーチ・エンジン)でコンピュータ画面を読み上げる他、文字を任意に拡大できる。この支援ソフトを使用して英文読み課題を6ヶ月間行ったところ読速度が上昇した。 4.点字未習得でパソコンのスキルも高くなく、かつ墨字での読み書きができない視覚障害者への学力試験として音声による問題が有効か検討した。DAISY読書器、ボイスレコーダ、パソコン読み上げの3方式を比較した。中途失明の重度視覚障害者にも音声のみによる試験が可能であること、ネイティブの発音に近い英語の合成音声と日本語画面読み上げソフトの組み合わせが重要であることが示された。 5.諸外国でのコンピュータを使用した語学学習研究の動向調査のため、アイルランド共和国で開催されたヨーロッパCALLの2004年大会で日本の視覚障害者への英語教育に関する研究発表と情報収集を行った。
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[Publications] 青木和子, 加藤宏, 小林真, 近藤邦夫: "弱視者のための英語読みスキルアップ指導-リーディングサポートソフトreadKONの開発とその活用-"筑波技術短期大学テクノレポート. 10(2). 1-8 (2003)