2005 Fiscal Year Annual Research Report
パソコン使用による視覚障害者英語学習支援システムの開発と英文読解の認知過程の分析
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15530632
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Research Institution | TSUKUBA UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
加藤 宏 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50177466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 英司 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30227996)
青木 和子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30269287)
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 助教授 (60291853)
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Keywords | 視覚障害 / 英語教育 / リスニング・テスト / 認知資源 / 点字 |
Research Abstract |
視覚障害者のパソコン活用英語教育支援とその認知過程に関する研究として今年度は以下の研究を行った。 1.視覚障害者の英語力不足は障害のために英語に接する機会が少ないことに一因があるという仮設を立てている。研究初年度に開発した視覚補償英語学習ソフト(readKON, KOBAtest)を実際の英語教育に取り入れ、視覚障害を持つ学習者からの評価を受けた。このソフトでは通常の英文表示に加え、拡大表示や英語合成音声の代替情報を呈示できる。このソフトを授業・自習に取り入れたことによって、障害を補償し読みやすさが増し英語に接する機会が増し、語彙力も上昇した。 2.音声は視覚障害者にとって活用しやすい代替情報である。音声による情報呈示の有効性とその認識を知るために音声ガイドによる文の読解力試験と英語試験を行った。肉声による音声呈示とパソコン+合成音声による問題文読み上げ条件を設けた。合成音声を用いたことは、視覚障害者の学習条件、テスト条件を勘案すると肉声録音による問題や教材は作成者への負荷が高く、結局この負荷が視覚障害者の英語学習環境を狭めていると考えたからである。結果は視覚障害者はパソコンの合成音声聴解条件と肉声でテスト得点に差は無かった。 3.視覚障害者が聴解によって英語を理解している際の認知資源の利用を検討するために全盲・弱視の両障害を対象に点字および墨字によるリスニング・テストを実施した。問題は英語検定準2級の聴解問題と大学入試センター試験のリスニング試行テスト問題を使用した。リスニング・テストでは問題文を読みながら英語を聴取するタスクが要求されるが、点字使用者は墨字使用者に比べ、聴くまたは点字触読する作業を継時的に行う傾向が強かった。弱視者は墨字使用者が読みことと聴くことを同時処理する傾向があるのとは対照的に、点字使用者では点字処理の認知資源への負荷がより高いことが示唆される。
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Research Products
(4 results)