2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540001
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
後藤 泰宏 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (40312425)
|
Keywords | カラビ-ヤウ多様体 / ゼータ関数 / L関数 / 形式群 / K3ファイブレーション / 国際情報交換 / カナダ |
Research Abstract |
本研究の目的は,ミラー対称性を持つ3次元カラビ-ヤウ多様体(以下,C-Y多様体と略す)の数論的性質を探ることである。中でも,加重射影空間の中で定義されるC-Y多様体や,K3曲面によるファイブレーションを持ったC-Y多様体を詳しく調べる。 本年度は,当初の予定通り,代数体上定義されたC-Y多様体(X,Y)のゼータ関数とL-関数,及びそれらのコホモロジー群について分析を深めた。また,C-Y多様体に関連の深い4次元多様体のL-関数も考察した。主な結果は次の3点である。 (1)K3曲面によるファイブレーションを持つC-Y多様体(X,Y)について,そのコホモコジー群と特異点の様子を詳しく調べ,得られた情報を利用してゼータ関数とL-関数を計算した。(これは海外共同研究者の由井典子氏との共同研究であり,Zeta-functions and L-series of certain Calabi-Yau threefoldsという題目での共著論文を執筆中である。) (2)加重射影空間の中で定義されたDelsarte型と呼ばれる3次元C-Y多様体のコホモコジー群を調べ,それをもとにC-Y多様体の形式群の高さを計算した。その結果,これまでに知られていなかった大きな高さを持つ3次元C-Y多様体を見つけることができ,16年7月に津田塾大学で開かれた研究集会で発表した。 (3)次数3のフェルマー型多項式で定義される4次元多様体を考察し,そのゼータ関数とL-関数を計算した。さらに,4次元多様体における超特異性と単有理性との違いを分析した。結果は,裏面に記載した論文として発表が予定されている。 なお,海外共同研究者の由井氏とは,16年7月に津田塾大学で研究打ち合わせを行い,17年1月にトロントのフィールズ研究所で集中的な共同研究を行った。
|
Research Products
(1 results)