2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 潤也 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20235352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉信 康夫 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (90281063)
松原 洋 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30242788)
松本 裕行 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00190538)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
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Keywords | 形式群 / 数論 / ゼータ関数 / ベルヌーイ数 / distribution relation |
Research Abstract |
本研究に関して,以下のような研究成果を得た. Bernoulli数は,数論において最も重要な研究対象の一つであり,非常に多くの数論の未解決問題に対して重要な解答を与える可能性を秘めている。このBernoulli数の性質を解明するために様々な試みがなされてきたが,その一つにL. Carlitzによるq-Bernoulli数の研究がある.新しいパラメーターqを付加することにより,多くの公式に対して通常の方法では不可能な簡略な証明を与えることができるようになった.本研究の目的の一つは,Carlitzのq-Bernoulli数の背後に潜む理論を究明することである.その答えの一つが形式群の理論である.形式群の理論を用いることによりCarlitzのq-Bernoulli数は,完全に記述することが出来,q-Bernoulli数に対して成立する公式が何故存在するのか,その根拠を説明することが出来るようになった.この事例は,さらに一般の形式群に対して拡張され統一的な理論構成が可能となった. 本研究期間内に,形式群に付随するBernoulli多項式に対してdistribution relationを与えることが出来た.このdistribution relationとは,形式群に付随するBernoulli数(正確にはBernoulli多項式の値)が均等(加法的に)に分布していることを示す性質である.この性質があると,ある種の測度(P-進測度)を定義することができ形式群に付随するBernoulli数を解析的に捉え直すことができ,さらに深い性質を解明するための足場が出来たことになる. 証明方法は,distribution relationに限定されない,形式群の一般的性質を用いているため,他への応用も可能である.また,このdistribution relationを利用することにより,P-進的な補間関数の構成が可能であり,残された研究期間内に構成することが次の目標である.
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Research Products
(1 results)