Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 裕行 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00190538)
松原 洋 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30242788)
吉信 康夫 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90281063)
松本 耕二 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
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Research Abstract |
本研究の最終年度において,以下に述べる2つの成果が得られた. (1)自然数kを固定したとき,1,2,…,kに対するk乗剰余が全て異なるような素イデアルの存在を考えることは,符号理論への応用の観点から重要であることが知られている.本来,この問題は,初等整数論で述べられた有理素数に関する問題であったが,べき剰余記号を用いて言い換えることにより,問題の本質が浮き彫りとなり,有理数体のアーベル拡大における素イデアルの問題に帰着され,本研究において,部分的な解決がなされた.すなわち,k【less than or equal】7に対して,(I)上記の素イデアルは存在する.さらに,(II)正の密度が存在し,クロネッカー式密度を計算することができる.以上から,条件を満たす素イデアルが無限に多く存在することが分かった.証明には,類体論とチェボタレフの密度定理を用いる.また.k=3の場合には,イデアル群として特徴づけられることを示した.k【less than or equal】7と言う条件は,本質的な条件ではなく,kを具体的に一つ与えれば,同様の結果を導くことができるが,そのことを,一般のkに対して拡張するには,現状では困難が伴う.また,本研究では,自然密度の存在には一切言及していない. (2)符号理論における未解決問題の一つ『法3pの乗法群において,位数p-1をもち,p-1/2乗が-1と合同であるが,2を生成しない整数が存在するか?』が,本質的に平方剰余記号の第2補充法則と同値であることを証明し,肯定的に解決した.
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