2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540022
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 信一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90114438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 敏彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20157283)
西山 享 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183085)
斎藤 裕 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20025464)
高野 啓児 明石工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (40332043)
山内 正敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022651)
|
Keywords | 対称空間 / p-進群 / 球関数 / Weyl群 / ルート系 / 球等質空間 / Hecke環 / Macdonald公式 |
Research Abstract |
研究代表者の加藤は,研究分担者の高野と協力して,p-進体上の等質空間として最も扱いやすい(よく調べられている)対称空間について,その球関数の研究を行った.さらに保型表現論等応用上重要な不分岐簡約群を念頭に置いた.まず,構造論からの準備として,対称空間の極大コンパクト群による軌道分解を実行した.これはもともと宇澤によってアナウンスされていた結果(未発表)であるが,それに別証明を与えたものである.次にこの軌道分解を用いて球関数を対称空間のWeyl群(little Weyl群)上の和で表すMacdonald型の公式を導いた.(ただし和の中に現れる因子の決定は今後の課題である.)その際,対称空間のWeyl群が現れるメカニズムを解明した.なお,この議論を正当化するためにBernsteinの定理を援用して,超関数のパラメーターに関する有理性を示している.この明示公式は階数1の対称空間の場合への還元を許す定式化になっている.そこで以上の一般論の応用として具体的な例も計算した.特に広中によるエルミート行列の空間の球関数の研究をわれわれの方法で書き直すことにより,斜行群の2次base changeに対応する球関数の明示公式を得ることにも成功した.その他,研究分担者の齋藤は概均質ベクトル空間のゼータ関数,保型L関数,L packetの研究を行った.松木は実数体上の対称空間のStein拡張の研究,とくに旗多様体の軌道対応との関係を詳しく調べた.西山はテータ対応とべき零軌道,随伴サイクルの相互関係の研究を行った.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 加藤信一: "Whittaker-Shintani functions for orthogonal groups"Tohoku Mathematical Journal. 55・(1). 1-64 (2003)
-
[Publications] 高野啓児: "Spherical functions on the symmetric variety GL(2n, F)/GL(n, E) where E/F is quadratic unramified"京都大学数理解析研究所講究録. 1321. 50-61 (2003)
-
[Publications] 齋藤 裕: "Convergence of the zeta functions of prehomogeneous vector spaces"Nagoya Mathematical Journal. 170. 1-31 (2003)
-
[Publications] 松木敏彦: "Stein extensions of Riemann symmetric spaces and dualities of orbits on flag manifolds"Transformation Groups. 8・(4). 333-376 (2003)
-
[Publications] 松木敏彦: "Stein extensions of Riemann symmetric spaces and some generalization"Journal of Lie Theory. 13・(2). 563-570 (2003)
-
[Publications] 西山 享: "Theta lifting of unitary lowest weight modules and their associated cycles"Duke Mathematical Journal. (印刷中).