2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540032
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10284150)
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Keywords | モチーフの有限次元性 / Bivariant theory / Jacobian conjecture / Mixed Motive / Schur finite / Nilpotence conjecture / Bloch conjecture |
Research Abstract |
モチーフの有限次元性の概念のPure Motivesの場合について研究を完成させ、Mathematische Annalenで発表した。また、Bivariant sheafを用いた空間概念Bivariant Spaceの研究を進め、その典型的な例となる(必ずしも非特異とは限らないBase Scheme上)相対的アーベル多様体のBivariant Spaceの論文をHiroshima Mathematical Journalに発表した。Jacobian Conjectureについても研究を行い、適当な条件のもとでWeak Kernel Conjectureが正標数の議論から従うことを証明した。Weak Kernel Conjectureは(その名の通り)Kernel Conjectureの弱い形であるが、Kernel ConjectureとJacobian Conjectureは同値であることが知られている。 1次元モチーフについて研究を行い、モチーフが1次元であることと、Invertibleであることとが同値であることを証明した。この結果はSestri Levante Conference、広島大学代数幾何シンポジウム、東京大学Algebraic and Arithmetic Geometry Symposiumで口頭発表した。 一般のMixed Motivesの有限次元性に関しては研究代表者が提案した有限次元性の定義ではうまくいかず、DeligneとMazzaによるSchur finiteの概念を使う必要がある。興味の対象がPure Motivesに限られる場合でも、議論の途中に特異多様体があらわれることがあり、Schur finiteの研究は重要である。特に、特異多様体を経由することで、超曲面のモチーフの有限次元性から一般の有限次元性を導くアイデアを提唱した。その過程で、次の問題が現れる:Schur finiteな対象とはあるYoung diagramに対応するSchur projectorで0へ送られる対象のことだが、ではどのようなYoung diagramがその対象を0へ送るのか?この問題に関して、二つのYoung diagramがある対象を消すならば、その交わりとしてあらわされるYoung diagramもその対象を消すことを証明した。これにより、Schur finiteな対象に対して、それを消す最小のYoung diagram λが存在して、あるYoung digram μがその対象を消すための必要十分条件が、μがλを含むことである、ということが証明される。GuletskiiによるNilpotence theoremの証明が完成すれば(この稿執筆時点では、証明にギャップがあるとされている)、その最小のλとして長方形を取ることができることが従い、あとは超曲面のモチーフのdeterminantが1次元であることが示されれば、そこから全てのモチーフが有限次元であることが従うことになる。
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Research Products
(3 results)