Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷崎 俊之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
柳田 伸顕 茨城大学, 教育学部, 教授 (20130768)
手塚 康誠 琉球大学, 理学部, 教授 (20197784)
古澤 昌秋 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50294525)
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
|
Research Abstract |
当報告者は,最近,Bezrukavnikov, Mirkovic, Rumynin(以下,BMRと略記)が得た,BeilinsonとBernsterinによる微分加群の局所化定理の,正標数版について考察を巡らした.先ず,BMRが用いた微分作用素の層は,Berthelotがかつて定義したPD微分作用素というものの層で,これは彼が最近導入した,一連のarithmetic微分作用素の層の第一番目であることに注意して,一般のarithmetic微分作用素の層における,direct image函手の振る舞いを調べた.従来の設定に置いては,表現論における標準的加群が,direct image函手を用いて構成されるからである. 本年度に出版された論文では,arithmetic微分作用素の層においては,direct image函手についての柏原の補題が成立しないこと等旨く機能しないことを注意した後に,arithmetic微分作用素の層の従来の微分作用素の層での像を用いて,その場でのSchubert cell上の1点のinfinitesimal近傍の構造層のdirect imageが,Humphreys-Verma加群という標準的加群を,BMR対応下においてもたらすことを示した.しかしながら,標準的加群は,単純socleと単純headを持ち,一般には既約ではないにも関わらず,構成した層の方は,arithmetic微分作用素の層上の加群としては既約になる.更に,数理解析研究所講究録の中で,arithmetic微分作用素の層におけるdirect image函手の極限として,従来の微分作用素の層についてのdirect image函手が得られることを注意した.
|