Research Abstract |
本年度の研究により,Cancellation問題についていくつか成果が得られた.Cancellation問題は,本研究目的のひとつである線形化問題に深く関連している問題である. また,affine pseudo-planesについて,いくつか結果が得られた.affine pseudo-planesは,Cancellation問題および一般化されたJacobian問題の対象としてもたいへん重要かつ興味ある曲面である. 1.増田・宮西は共同で,代数的群作用をもつアファイン代数多様体についてCancellationが成り立つためのいくつかの十分条件を求め,アメリカ数学会のContemporary Mathematics seriesのProceedingsに発表した.また,affine pseudo-planesの同変cancellation問題について研究し,cancelltion propertyをもたないaffine pseudo-planesの無限次元の族が存在すること,さらに,affine pseudo-planesで非自明な代数的トーラス群の作用をもつものは,tom Dieck曲面に限ることを示した. 2.一般化されたJacobian問題に関しては,宮西が中心となって,特にaffine pseudo-planesの場合に研究を進めた.Affine pseudo-planesさらにそれらを含むアファイン曲面のなす族の構造を明らかにするため,アファイン曲面をMakar-Limanov不変量によって3種類に分類し,それぞれのもつ性質・構造のいくつかについて明らかにした.これは,Montreal, CRMにおける研究集会およびBanff国際研究所における,R.V.Gurjar, P.Russell,増田,宮西との共同研究によって得られたものである. また,宮西は,一般化されたJacobian問題についてのsurvey articleを,上林達治と共著でアメリカ数学会のContemporary Mathematics seriesのProceedingsに発表した. さらに,増田はアファインG多様体のG自己射で,代数商の上に自己同型射を誘導するようなものについて調べた.その結果,多くの場合,そのようなG自己射はG自己同型射であることがわかった.
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