2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540054
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
柳井 忠 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 助教授 (50220174)
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Keywords | ホップ代数 / ホップ加群 / 双対性 / 積分 / ガロア型対応 |
Research Abstract |
Hを体k上のホップ代数,Aを右H余加群代数,DをAの余不変元からなる部分多元環,MをAからDへの左D線形写像全体のなす(A,D)両側加群とするとき,AとMがホップ加群として同型となるかどうかを探り,ホップ代数の諸性質の一般化やX外部的ガロア理論への応用を行うことが,本研究の目的であった.まずAがA加群,H余加群のホップ加群の圏で単純となることと同値な条件を得た.このことから,Hが分裂ホップ代数のとき,Aがホップ加群として単純でD加群としての次元が有限であればAのD加群構造とMのH余加群構造に適当な変形を与えることにより,AとMはホップ加群かつ(A,D)両側加群として同型になることが証明できた.この結果は有限次ホップ代数の双対性のホップ加群への一般化と考えることができる.ここで,Dを斜体とし,有限次分裂ホップ代数HがDに作用しているとする.AがDを含むD#Hの右H余加群部分代数である場合にこの双対性を応用すれば,ホップ代数の積分に当たる元がAに存在して,その全体は1次元のD部分加群をなしており,IをHの双対(Hからkへの線形写像全体)とすれば,このD部分加群はI加群としてAを生成していることが分かる.このことが,X外部的ガロア理論に応用できる.有限次分裂ホップ代数Hが素環RにX外部的に作用する場合,kの標数が0なら,Rの有理的完備部分環とK#H(KはRのextended centroid)の右H余加群部分代数との間に1対1のガロア型対応が与えられることが分っていたが,この結果により,任意の標数でガロア型対応が与えられることが示された.今後は,更に一般的な対象,例えばクロスK双代数への一般化が課題となる.
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Research Products
(1 results)