2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540059
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北川 義久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20144917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一博 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30205702)
井ノ口 順一 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (40309886)
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Keywords | 3次元球面 / 部分多様体 / 平坦トーラス / 平均曲率 / ベックルンド変換 / ベクトル場 / 閉曲線 |
Research Abstract |
近年,2次元単位球面$S^2$上の閉曲線対から3次元単位球面$S^3$内のすべての平坦トーラスを構成する方法が開発された.その後の研究により,この構成法を応用した成果が数多く得られ,$S^3$内の平坦トーラスの研究は著しく進展した.これらの研究をさらに発展させ,部分多様体論と他分野との新たな関連を発見することが本共同研究の主要な目的である.以下,本年度研究実績の概要を述べる. 北川義久は,$S^2$上の閉曲線対から$S^3$内の平坦トーラスを構成する方法を用いて,「$S^3$内の平坦トーラスの直径は$pi$である」という予想について研究した.ある条件を満たす閉曲線対に対して,一方の閉曲線を合同変換で移動させ,他方の閉曲線とある種の接触をさせることが可能であれば,上記の予想が肯定的に解決できることを示した.また,平坦トーラス$M$から$S^3$への等長はめ込み写像の全平均曲率(平均曲率の積分)として実現できる数値の集合$tau(M)$についても研究し,$tau(M)$が無限集合となるような平坦トーラス$M$の例を構成した. 酒井一博は,Wen-Ganによる特異点を持たないベクトル場についての構造安定性理論を応用することにより,微分可能閉多様体上の拡大的なベクトル場(すなわち,生成されるflowが拡大的)全体の$C^1$-位相における内点に属するベクトル場をquasi-Anosovとして特徴付けした. 井ノ口順一は,平均曲率一定曲面に対するベックルンド変換について研究を行い,1997年にHertrich-Jermin, Pedit両氏により提出された予想を否定的に解決した.すなわち,平均曲率一定曲面に対するベックルンド変換とダルブー変換は同じものであることを証明した.
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Research Products
(4 results)