2006 Fiscal Year Annual Research Report
リッチ曲率が平坦な多様体およびそのモジュライ空間の大域的構造
Project/Area Number |
15540062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今野 宏 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (20254138)
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Keywords | ハイパーケーラー多様体 / ハイパーケーラー商 / モーメント写像 / シンプレクティック幾何学 / 微分幾何学 |
Research Abstract |
シンブレクティック商とリッチ平坦多様体の研究を行った。シンプレクティック商は代数幾何における商空間と、構成法が全く異なるにもかかわらず、多くの場合に一致する。その結果、商空間は代数幾何、シンプレクティック幾何双方に由来する豊かな性質を持つ。一方、リッチ平坦計縫を具体的に構成することは一般には難しい。ハイパーケーラー多様体は、リッチ平坦多様体のひとつのクラスであるが、これらはハイパーケーラー商とよばれるシンプレクティック商の類似物として数多く構成されている。そこで、ハイパーケーラー商の研究を行った。 前年度までの研究で、トーリックハイパーケーラー多様体とよばれる四元数ベクトル空間のトーラスによるハイパーケーラー商の変形の様子を記述していた。ここでは、なめらかなハイパーケーラー商のみをシンプレクティック幾何の手法を用いて考察することにより行われた。これは、「トーリック」という特殊な状況のもとで実行できることであった。これらの研究をより一般のハイパーケーラー商に拡張するためには、特異点を持ったハイパーケーラー多様体の性質を調べることが必要で、そのためには、微分幾何あるいはシンプレクティック幾何の枠組みのみでハイパーケーラー商を考えるのでは不十分であった。そこで、トーリックハイパーケーラー多様体の代数幾何的な枠組み整備して、特異点を自然に扱える基礎付けを与えた。その結果として、前年度までの研究結果を著しく簡略化し、しかも粘密にすることに成功した。これは「The geometry of toric hyperkahler varieties」という論文にまとめられ、投稿中である。現在のところは、「トーリック」という状況に限られているが、この方法はより一般のハイパーケーラー商に拡張されることが期待される。
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Research Products
(1 results)