2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027383)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
並河 良典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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Keywords | カラビ・ヤオ多様体 / 超ケーラー多様体 / G_2多様体 / シンプレクティク多様体 |
Research Abstract |
本年度は、次の研究を行った。 (1)G_2多様体の幾何で、培われた手法を標準束が自明な複素3次元多様体に適用する研究 特異点のある標準束が自明な複素3次元複素空間を変形し、滑らかな複素多様体にできるための必要十分条件を調べた。この研究は複素多様体をある特殊な複素閉微分形式をもつ実6次元多様体として捉え、この閉微分形式を構成する手法をとるところが、従来の研究と異なる独創的な点である。閉微分形式が構成出来るためには、De Rhamコホモロジーから来る位相的な条件が必要となるが、この位相的な条件が、十分条件であることを多くの場合に確かめることができた。この結果により、Calabi-Yau 3-foldsの研究に新たな進展が与えられることが、期待される。 (2)一定のランクで退化するSymplectic構造の研究 閉微分形式により定まる幾何構造として、退化したsymplectic構造を採り上げ、調べた。Donaldsonにより、symplectic構造の場合に得られていたsymplectic部分多様体の構成に関する結果をこの退化したsymplectic構造の場合に拡張する研究を行った。この研究により、contact構造などを含む形で、統一的な構成が可能となった。 (3)複素ベキ零、可解多様体上の閉微分形式により定まる幾何構造の研究 複素ベキ零リー群をlatticeで割った複素多様体上の正則なsymplectic構造の変形の障害は常に消えることを証明した。一般にこのような複素多様体の(小平-Spencer理論の意味での)複素構造の変形の障害は消えていないので、この結果は正則なsymplectic構造の変形の顕著な性質となっている。この他にも、可解多様体上の様々な閉微分形式により定まる幾何構造を考察し、変形の障害やトレリ型定理が成立する場合などを調べた。
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Research Products
(1 results)