2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027383)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
並河 良典 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80228080)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Keywords | カラビーヤオ構造 / 超ケーラー構造 / G_2構造 / Spin(7)構造 / 幾何構造 |
Research Abstract |
カラビーヤオ構造、超ケーラー構造、G_2、Spin(7)構造の四つは特別な閉微分形式により定まる幾何構造であり、この視点から、著者は閉微分形式から定まる幾何構造という考えを導入し、この幾何構造の変型理論を確立した.この変型理論により、これら四つの幾何構造の統一的なモジュライ空間の構成が得られ、変型の非障害性や局所トレリ型定理の幾何的な意味が解明された.この変型理論はかなり一般的なものであり、これら四つの幾何構造以外にも適用可能であると思われる.平成17年度は特に、1.正則なsymplectic構造、2、一般化されたカラビーヤオ構造、超ケーラー構造、G_2、Spin(7)構造について研究を進めた. 1.正則なsymplectic構造の研究 Kahler性を一般に仮定せず、正則なsymplectic構造の変型を調べた。non-Kahlerな正則なsymplectic多様体には多くの具体例が知られいる.正則なsymplectic構造を閉微分形式から定まる幾何構造として捉えなおしてみると、変型理論が適用でき、有効な非障害性の判定条件が得られた.特に、複素nilpotentリー群を離散群で割って出来るcompactな多様体上の正則なsymplectic構造の変型の障害は消えていることが分かった.また、複素可解群を用いて、正則なsymplecticの障害が消えていない例の構成にも成功した. 2.一般化されたカラビーヤオ構造、超ケーラー構造、G_2、Spin(7)構造 最近、Hitchinなどにより、導入された一般化された幾何構造は従来の幾何構造とは異なり、接束Tと余接束T^*を同時に扱うことにより、複素構造、symplectic構造を統一する新たな視点を与えている.筆者はこれをconformal spin群の軌道の定める幾何構造として捉えなおし、四つの幾何構造の自然な一般化を与えた.線形群GL(T)はconformal spin群の部分群となり、従来の幾何構造は自然に一般化されることとなった.このconformal spin群の軌道の定める幾何構造の変型理論を確立し、特に、一般化されたカラビーヤオ構造、Spin(7)構造について、変型理論を適用し、非障害性を示した.これは、Hodge分解の自然な一般化、あるいはKahler cone複素化など、興味深い結果を含んでおり、代数幾何、数理物理など、様々な分野との関連を予感させるものである.
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Research Products
(3 results)