Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 敏男 広島大学, 総合化学部, 教授 (10033854)
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40125901)
柴田 徹太郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90216010)
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Research Abstract |
本年度は,例外極小集合をもつ微分可能写像の構成,弱部分双曲性の特徴付け,球面作用の例外極小集合の分類について,下記のような結果を得た 2階微分可能な曲面の微分同相写像で,極小集合がシェルピニスキ曲線と同相なものの構造を詳しく調べるため,Maneの例を摂動することで新しい例を構成した.Maneの例は双曲力学系の発展形として非常によく研究され,内部構造の調べ方も確立されている.今回摂動してできた例も同様の手法を適用することができ,力学系の構造を詳しく調べることができた.一方,シェルピニスキ曲線が極小集合になることの証明にはBlenderという新しい手法を用いた.Blenderは力学系の摂動論において,突破口になるものと予想され,ここ数年注目を集めている.今回,Blenderを用いる必要があったということで,余次元2例外極小集合の研究が他分野と協調して研究されていくことを可能にした. 一方,弱部分双曲性の位相的研究が完成した.コントレラスの理論を極小集合上の射影流に適用することで,双曲的でない場合,射影流がカオス的に挙動することを証明した.未だに,流の微分可能性との関連についてはわかっていないが,微分可能性を使わない議論としては,ほとんど眼界に近いところまで調べることができた. また,球面への群作用の局所連結極小集合についても研究し,ニルポテント群の球面への作用は例外極小集合を持たないことを証明し講演した.より難しい群の作用についてもその局所連結極小集合を分類することが研究期間中に可能であると考えている. 尚,今年度予定していたメキシコ出張は相手方の都合により延期となった
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