2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケーラー・ファイブレーションの微分幾何学とその応用に関する研究
Project/Area Number |
15540084
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
愛甲 正 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00192831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40107850)
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (00325763)
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Keywords | ケーラーファイブレーショイン / フィンスラー計量 / チャーン・フィンスラー接続 / 射影的平坦 / 射影化束 |
Research Abstract |
本研究では主に複素Finsler幾何学をケーラー・ファイブレーションの微分幾何学の立場から研究した。複素Finsler構造を許容するベクトル束を,特にその全空間または射影化束の全空間が(擬)ケーラー空間になることに着目して,複素Finsler幾何学をケーラー・ファイブレーションの微分幾何学の立場から研究した. 平成16年度は,特にP(E)→Mがケーラー的沈め込みになっている場合について研究した.得られた結果については,平成16年8月に南開大学(中国,天津)で開催された国際シンポジウムで報告し,"On the Chern-Finsler connection on complex Finsler bundles"として投稿予定である.その概要は以下のとおりである.コンパクト複素多様体M上の正則ベクトル束Eに対して,その射影化束P(E)をとれば,EのFinsler幾何学はP(E)の相対接束の幾何学と捉えることができる.実際,正則ベクトル束Eが強擬凸な複素Finsler構造Fを許容するための必要十分条件は,P(E)がケーラー・ファイブレーションの構造をもつことである.この場合,さらにP(E)の擬ケーラー計量は実(1,1)-形式∂∂log Fで与えられることがわかる.さらに,ベクトル束Eが豊富(ample)であるための必要十分条件はP(E)が負曲率のケーラー・ファイブレーションである.すなわち,正則ベクトル束に複素Finsler構造が与えられた場合,その全空間または,それを射影化したPGL(r, C)-束の全空間が擬ケーラー空間になることがわかり,逆にこれらの擬ケーラ構造から対応する正則ベクトル束の複素Finsler構造が構成できる.従って,特に,fibred manifoldの微分幾何学の手法がFinsler幾何学の研究に不可欠なものになることがわかった.
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Research Products
(3 results)