Research Abstract |
平成16年度は単独の多項式でn重根に制限があるもののなす空間と,多項式のn組で共通根に制限があるもののなす空間の間の関係を見出すことに成功した.P^l_<k,n>で,monicな複素k次式f(z)=Z^k+a_1z^<k-1>+【triple bond】+Z_kで,高々l個のn重根を持つもののなす空間を表す.また,X^l_<k,n>で,monicな複素k次式のn組(p_1(z),【triple bond】,p_n(z))で,p_1(z),【triple bond】,p_n(z)の共通根は高々l個であるもののなす空間を表す. 平成16年度の研究実績は次の定理である.(n,l)=(2,0)である場合を除き,ホモトピー同値P^l_<k,n>【similar or equal】X^l_<[k/n],n>が成立する.更に,(n,l)=(2,0)の場合も.安定ホモトピー同値にすれば成立する. この定理の重要性は以下の点にある.まず,左辺について述べる.P^l_<k,n>はArnoldによりC上のconfiguration spaceのhomologyを決定するために導入された.ここでP^0_<k,2>はC上のunordered distinct k pointsのなすconfiguration spaceであることに注意する. ArnoldはP^l_<k,n>のhomologyのstabilityなどを証明したが,そのhomologyを完全に決定するにはほど遠かった.ところが,研究代表者の2001年の研究実績によりX^l_<k,n>の安定ホモトピー型は完全に決定されている.従って,上記の平成16年度の研究実績によりP^l_<k,n>のhomologyは完全に決定されるのである. なお,上記の平成16年度の研究実績は既に高く評価されている.一例として,研究代表者は2004年12月にMexicoで開催されたtopologyの大きな国際会議に招待され,主要講演を行った.
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