2004 Fiscal Year Annual Research Report
超越的手法による有限モデル理論の研究とそのLachlan予想解決への応用
Project/Area Number |
15540104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪井 明人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (30180045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 信義 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70015874)
塩谷 真弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30251028)
桔梗 宏孝 東海大学, 理学部情報数理学科, 助教授 (80204824)
板井 昌典 東海大学, 理学部情報数理学科, 教授 (80266361)
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Keywords | 自然数 / モデル / ペアノ公理系 / 再帰的 / 同型 / 定義可能 |
Research Abstract |
1階論理式で書かれたペアノ公理系(PA)は自然数に対するごく自然な公理系である.自然数全体N(標準モデル)はPAのモデルに当然なっているが,これ以外にも多くのPAのモデルが存在する.Nと同型でないPAのモデルを超準モデルという.Tennenbaumの定理により,再帰的(recursive)な超準モデルは存在しないことがわかる.また,論理式の階層を再帰的なものに限らなければ,Nの中で超準モデルが定義されることも知られている.本研究ではこれらの結果の一般化を行った.より正確に述べれば次のようになる.MがPAの超準モデルのときに,Mの中で1階論理式によって定義されるPAのモデルにはどのようなものがあるかを研究した.本研究において得られた結果の中には以下のものがある: 結果1:Mの上で再帰的(Δ1定義可能性)になるという概念を定義し,Mの上で再帰的なモデルKはすべてMと同型になることを示した.より詳しく言えば,M上で1階定義可能な同型写像によってMとKが同型になる. 結果2:Mを標準モデルとelementarily equivalentなモデルとする.Mで0-definableなモデルN(すなわちパラメータを使わないで定義可能なモデル)はMと同型になる.より詳しく言えば,definable isomorphismによって同型になる. 結果3:Mと同型であるが1階定義可能な同型写像によっては同型が示されないモデルが存在する. 以上の結果を導くために,Mで定義可能なモデルの中にMを埋め込むstandard embeddingの概念を導入した.これが非常に重要な役割を持つことを示した.
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Research Products
(3 results)