2003 Fiscal Year Annual Research Report
特異積分法と積分方程式に関する精度保証付き計算法の研究
Project/Area Number |
15540111
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 野人 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30210545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 俊幸 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (60361838)
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Keywords | 精度保証法 / 数値的検証法 / 積分方程式 / 関数方程式 / 局所一意性 / 固有値 |
Research Abstract |
本研究では、積分方程式に関する精度保証法の開発を行なう。初年度は基礎となる定理の整理・証明を行ない、つぎのような結果を得た。 1.積分方程式を含む関数方程式全般に対する局所一意性の数値的検証法 2.特に作用素の固有値問題に対して、固有値の非存在範囲を数学的に保証する計算法の開発 3.積分方程式に変換可能な常微分方程式系初期値問題に対する新しい精度保証法 まず1によって既存の定理を整理し、これを発展させたより適用しやすい形の定理を導いた。このことによって、関数方程式の解の局所一意性についての数値的検証法の見通しが明確になった。 次に2によって、積分作用素あるいは微分作用素の可逆性の検証法の基礎を与えた。これは1の結果を用いている。 さらに1および2の結果から、3によって具体的な問題への適用を試みた。特に神経細胞発火のモデルであるBVP方程式の挙動に関して、シミュレーションで観察された特異な現象を精度保証によって捉えるための研究を行なった。 上述のことに関連する以下の口頭発表を行なった。 1.小森喬・山本野人・渡部善隆:非自己随伴作用素の固有値に対する精度保証付き計算、日本応用数理学会年会、2003年9月17日 2.山本野人・中尾充宏・渡部善隆:関数方程式の解の一意性付き数値的検証法に関する基礎定理、日本数学会秋季総合分科会・応用数学分科会、2003年9月26日 3.山本野人・菊池祐平:BVP方程式に基づいた細胞間の情報処理に関する考察、応用数理合同研究集会、2003年12月19日
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