2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 裕行 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00190538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 俊輔 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00023200)
長田 博文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20177207)
佐藤 潤也 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20235352)
植村 英明 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30203483)
貝瀬 秀裕 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (60377778)
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Keywords | ブラウン運動 / ベッセル過程 / ウイシャート過程 / リーマン対称空間 / ラプラシアン / 拡散過程 |
Research Abstract |
原点を出発する1次元ブラウン運動とその最大値過程の線型結合によって得られる確率過程について研究をした,これらの比が1対1で差を取って考えた場合は反射壁ブラウン運動と同じ確率分布を持つことがレヴィの定理,1対2にして差を取った場合は3次元ベッセル過程と同じ確率分布をもつマルコフ過程になることが知られている.小倉幸雄氏との共同研究の結果,これら2つの場合以外にはマルコフ過程は得られないことを示し,結果が定数ドリフトをもつ場合にも成り立つことを示し,結果を発表した. また,正値対称行列全体のなす空間に値をもつウィシャート過程について,海外共同研究者のYor氏などと共同研究を行った.ベッセル過程の拡張とも考えられるこの確率過程に対して,ベッセル過程と同様に,異なる次元のウィシャート過程の確率法則の絶対連続性について証明し,論文の形で発表した.ウィシャート過程の固有値から作られる確率過程は拡散過程になる.確率1で固有値が異なることが知られているが,これを含む形の一般論に関してディリクレ形式の立場から研究を進めた. 正値対称行列全体の空間は階数が1ではないリーマン対称空間であり,距離から決まる自然なラプラシアンが重要な研究対象になる.確率解析の立場からは対応する熱核,ブラウン運動を考えることが必要になる.対象が具体的であるにもかかわらず,2,3次元の場合の熱核の具体的な表現以外に具体的な計算結果は知られていない.階数1の対称空間に関する研究の自然な拡張として,現在研究を進めている.
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Research Products
(6 results)