2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540118
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 明久 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (50217189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
藤重 悟 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
|
Keywords | 離散凸解析 / アルゴリズム / 数理経済学 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
研究目的の1つとして挙げた「M2凸関数最小化に対する多項式時間解法の開発」については、研究分担者の室田が成果を出し、この研究成果については今年の6月に開催される審査付の国際学術会議、第10回整数計画と組合せ最適化国際会議(IPCO2004)において公表する予定である。 藤重、田村と藤重の学生である江口により、良く知られた安定結婚モデルの一般化モデルを離散凸解析を応用することで提案し、安定解の存在を構成的に証明した。すなわち、安定解を求めるアルゴリズムを提案した。この成果は審査付の国際学術会議、第14回アルゴリズムと計算量国際会議(ISAAC2003)において公表し、Lecture Notes in Computer Scienceに掲載された。 また、藤重と田村は上記のモデルを更に一般化し、安定結婚モデルと割当ゲームというマッチング市場モデルの基本モデルを統一し、さらには多くのマッチング市場モデルを包含するモデルを提案し、このモデルが常に安定解を持つことを構成的に証明した。すなわち、安定解を求めるアルゴリズムを提案した。この成果は第18回数理計画国際会議にて発表し、学術雑誌に投稿中である。 上記2つの論文ではM^#凸関数と呼ばれる離散凸関数が代替性を持つことがアルゴリズム開発の鍵となっている。田村とその学生のFarooqはこの代替性を拡張したもので、M^#凸集合関数を特徴付けできることを示した。この成果は学術雑誌に掲載予定である。 離散凸解析の数理経済学への応用をまとめた田村によるサーベイ論文がPublications of RIMSに掲載予定である。 上記2つのモデルに対して安定解を求めるアルゴリズムを提案したが、残念ながらこれらのアルゴリズムは計算量的には指数時間アルゴリズムである。安定解を求める多項式時間アルゴリズムの開発が今後の課題である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Farooq, Rashid: "A new characterization of M^#-convex set functions by substitutability"Journal of the Operations Research Society of Japan. (発表予定). (2004)
-
[Publications] Eguchi, A.: "A generalized Gale-Shapley algorithm for a discrete-concave stable-marriange model"Lecture Notes in Computer Science. 2906. 495-504 (2003)
-
[Publications] Tamura, Akihisa: "Applications of discrete convex analysis to mathematical economics"Publications of RIMS. (発表予定). (2004)