2003 Fiscal Year Annual Research Report
離散可積分系の半無限格子解を用いた双直交多項式系の構造研究と工学への応用
Project/Area Number |
15540119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻本 諭 京都大学, 情報学研究科, 講師 (60287977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 敦 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90304039)
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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Keywords | ソリトン / 離散系 / 可積分系 / 直交多項式 / 行列式 / 双直交多項式 / Lotka-Volterra方程式 / 半無限格子解 |
Research Abstract |
本研究では、従来の直交多項式および連分数展開の理論の拡張を目指している。この目標を実現するために、本年度は、研究計画に従い、離散可積分系と直交多項式について個別的に調べ、データを蓄積していった。ここではそのいくつかの例を挙げる。 1.一般化固有値問題に関連したR1型格子とR2型格子 一般化固有値問題に関連して導かれたR1型格子とR2型格子に対し、そのスペクトル変形と行列式構造にについて考察した。特にR1型格子に関しては、相対論的戸田格子方程式との直接的な対応関係について双線型方程式のレベルで議論し、R1型格子の特殊化として離散相対論的戸田格子方程式が得られることを明らかにした。同様な議論をR2型格子に対しても可能なことも確認した。 2.離散化された戸田格子系列と離散ハングリーロトカボルテラ方程式 離散化された戸国格子系列と直交多項式の関係について、特に「d直交性」と呼ばれるクラスの直交多項式系に対して議論した。この場合は、離散化された戸田格子系列に対する佐藤理論的アプローチを取ることにより、隣接関係式や行列式解、Lax形式などの議論を行った。 3.不等間隔ロトカボルテラ方程式 離散可積分系の工学への応用として、固有値計算法に対する考察を行った。ここでは、原点シフト付のqdアルゴリズム(qdsアルゴリズム)のシフトパラメータと不等間隔ロトカボルテラ方程式(ndlv方程式)の差分間隔パラメータの間に成り立つ変換式を見出した。このことは、qdsアルゴリズムで得られる高速かつ高精度な固有値計算が、ndlv方程式を用いても可能なことを示しており、さらに高速かつ高精度なアルゴリズム開発を来年度以降も試みる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nishizawa, Y.Ohta, S.Tsujimoto: "Some aspects of Toda molecule"Glasgow Mathematical Journal. (to appear). (2004)
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[Publications] A.Mukaihira, S.Tsujimoto: "Determinant structure of R_1 type discrete integrable system"Journal of Physics A : Mathematical and General. 37. 4557-4565 (2004)
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[Publications] A.Nagai: "An integrable mapping with fractional difference"Journal of the Physical Society of Japan. 72. 2181-2183 (2003)
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[Publications] A.Nagai: "On a certain fractional q-difference and its eigen function"Journal of Nonlinear Mathematical Physics. 10Suppl.2. 133-142 (2003)
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[Publications] M.Iwasaki, Y.Nakamura: "An application of the discrete Lotka-Volterra system with variable step-size to singular value computation"Inverse Problems. 20. 553-563 (2004)
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[Publications] Y.Minesaki, Y.Nakamura: "A new conservative numerical integration algorithm for the three-dimensional Kepler motion based on the Kustaanheimo-Stiefel regularization theory"Physics Letter A. (to appear). (2004)