2004 Fiscal Year Annual Research Report
ディリクレ形式のスムース測度とエネルギー測度の同時変化に伴う現象の解明
Project/Area Number |
15540121
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
富崎 松代 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50093977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 正人 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50271044)
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Keywords | ディリクレ形式 / スムース測度 / 一般化拡散過程 / 変形ブラウン運動 / 条件付漸近分布 |
Research Abstract |
1.1次元ディリクレ形式のスムース測度,エネルギー測度が絶対連続であり,その密度関数が一致している場合,即ち,1次元変形ブラウン運動についての研究を更に進めた.対象となる密度関数のグラフを,パラメーターを取り替えて取り扱うことにより,曲線の長さが有界な関数族として捉えられ,そのグラフが一様収束する部分列を取り出すことが出来る.その極限グラフからパラメーター空間の分割が得られ,その分割を1次元区間に引き戻し,そこから求める一般化拡散過程の族が得られ、それらの生成作用素のスペクトルの和集合が,途中の変形ブラウン運動の部分列のスペクトル全体の極限となっていることが示された.これまでに得られている例のように1次元区間の分割が互いに共通部分を持たないものとして得られないために,その共通部分上での極限過程の挙動の様子が不明であったが,今回、分割の方法を再度見直すことにより,たとえ共通部分があってもその部分は,制御可能な区間であり,その区間上での極限過程の挙動の様子も解明できた. 2.拡散過程の条件漸近分布について,これまでに得られているクラスよりも更に広いクラスの拡散過程に対して適用可能な結果を導いた.広義拡散作用素のスペクトルが離散的な場合は,到達確率の条件付きで考えると非自明な極限分布が現れることが特別な例の場合には直接計算で得られていた.これを一般化することができた.その評価の途中階段では,基本解の一様評価に関しても新しい結果を得ることが出来た. 3.自己相似性を持つフラクタル格子におけるパーコレーション(浸透過程)の研究を行った.特に浸透する方向に制限のある(上・右のみに浸透する)場合と制限のない場合の違いについて検討を深め,更にその中間のモデル(上・右・下に浸透する)では制限のある場合と同様に相転移の消滅が起こるという結果を得た.
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