2004 Fiscal Year Annual Research Report
数値的検証法を用いた反応拡散方程式の定常解の大域的分岐構造の研究
Project/Area Number |
15540124
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
観音 幸雄 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (00177776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
方 青 山形大学, 理学部, 助教授 (10243544)
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Keywords | 競争モデル / 分岐理論 / 比較定理 / 数値的検証法 |
Research Abstract |
本研究では,競争関係にある2種の個体群密度の動態を記述するLotka-Volterrai型競争系(連立の反応拡散方程式)を考察し,その正値定常解の存在,安定性及び大域的な分岐構造を調べることにより,生物の共存メカニズムの解明を目標としている. 今年度は,数学的な手法と,数値計算や数値的検証法などの数値的な手法を相互補完的に用いて,ある種の一般化された非線形性に対して,正値定常解の大域的な分岐構造を調べることとした.ある分岐パラメータに対する正値定常解の連続的な枝は,解の第1要素の左端点または右端点での値を新たにパラメータに取り直すと,それに対するある関数のグラフとして表現できることや,分岐構造と定常進行波との関係を得ることができた.このことは,定常進行波1を調べることで,正値定常解の分岐構造の予想ができるため,大域的な分岐構造を特定するための一つの手がかりが得られることを意味している. 数値計算により,パラメータがある値のときには,定数解から分岐した正値非定数定常解がサドル・ノード型の二次分岐を起こすことが確認されている.このため,どのようなとき二次分岐が起こり,そのような二次分岐がどの程度起こるのかを調べることは,来年度の課題の一つである.また,生物の住処を高次元領域に拡張した場合については,軸対称性をもつ解に制限したとしても,現在のところ大域的な分岐構造の特定に成功していない.このため,高次元領域における大域的な分岐構造についても調べていく必要がある.
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Research Products
(1 results)