2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540130
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大和 元 鹿児島大学, 理学部, 教授 (90041227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 浩一 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20018899)
近藤 正男 鹿児島大学, 理学部, 教授 (70117505)
|
Keywords | 推定可能な母数 / U-統計量 / V-統計量 / 凸-結合 / エッヂワース展開 / 不変原理 |
Research Abstract |
統計的母集団の確率分布の汎関数で表される母集団の特性量の推測の観点から,研究代表者が導入したU-統計量の凸結合(線形結合)について研究を続けているが,次の(1),(2)に述べる結果について高い評価が得られた: (1)特性量の区間推定の観点からスチューデント化したU-統計量の凸結合の漸近的性質を知る必要がある.そのために,まず凸結合の漸近展開を求めた.さらに,これを利用してエッヂワース展開を標本の大きさのマイナス1乗のオーダーで求めることが出来た.これより,凸結合に起因する漸近的な影響と,スチューデント化に起因する漸近的影響を捉えることが出来た. (2)母集団の特性量の核が退化している場合について,U-統計量の凸結合の不変原理(関数的中心極限定理)を導いた.核が退化していない場合には凸結合は独立で同一分布に従う確率変数の和で近似され,極限分布は正規分布である.従って,不変原理は,凸結合から得られる確率過程がブラウン運動に従うことを示す.しかし,核が退化している場合には,凸結合は独立で同一分布に従う確率変数の和で近似されず,極限分布は複雑になる.従って,不変原理についても,ブラウン運動の関数の形式で表される.そして,不変原理の特別な場合として,極限分布を得ることもできる.その特別な場合として得られるV-統計量についての極限分布は,これまでに求められていた結果では見えなかった事実が判明した:それは,V-統計量のH-分解の展開で言えば,低次の核に付随する項は,漸近分布に影響しないと言うことである.この事実を新たに示すことが出来た.
|
Research Products
(2 results)