2004 Fiscal Year Annual Research Report
拡張されたボゾン代数の性質とその数学・物理学への応用
Project/Area Number |
15540132
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Research Institution | Osaka Women's University |
Principal Investigator |
會澤 成彦 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (70264786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 和夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (90090563)
入江 幸右衛門 大阪女子大学, 理学部, 教授 (40151691)
大内 本夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (70127885)
加藤 希理子 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (00347478)
綿森 葉子 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (70240538)
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Keywords | 非可換幾何学 / 表現論 / 量子群 / ボゾン代数 / 国際研究者交流(インド) |
Research Abstract |
これまでの研究で量子化されたOsp(2/1)と拡張されたボゾン代数には深い関係があることが分かっている。一方、通常のボゾン代数はリー群の作用により共変であるという性質を持っている。そこで、拡張されたボゾン代数を量子化されたOsp(2/1)の作用に対する振る舞いという観点から調べてみることにした。量子群を非可換な成分を持つ行列と見る立場に立てば、拡張されたボゾン代数の非可換幾何学的側面を調べることに相当する。 できるだけ一般的な結果を得るため、そしてボゾン代数以外の非可換幾何学への応用を可能にするため、我々はまず量子化されたOsp(2/1)の作用により共変な代数を求める一般的な方法を作ることを試みた。量子化されたOsp(2/1)の表現論を用いて、共変な代数を求める一般的な方法を開発することに成功した。この方法により3種類の超対称な非可換空間、および5次元の超対称な非可換球面を求めることができた。超対称な非可換球面については、量子群への埋め込み、無限小変換による特徴づけなど、その性質のいくつかを明らかにすることができた。さらに、超対称な非可換空間の特別な場合はThuillierとWalletにより求められていた共変なボゾン代数と一致することが示された。また、このボゾン代数により超対称な非可換球面の表現を作ることも可能であることが示せた。しかしながら、この共変なボゾン代数はホップ代数の構造を持っておらず、我々の目的であるホップ代数の観点から拡張されたボゾン代数の性質を調べるという範疇には入らない。以上の結果については論文を投稿中である。なお、この論文で述べられている共変な代数を求める方法は、そのまま量子群SLq(2)に対しても適用することができる。これによりSLq(2)で共変な様々な次元の非可換空間を作ることが可能となる。 今後の方向性のひとつとして、既に知られているホップ代数の構造を持つ拡張されたボゾン代数と共変なボゾン代数の関係を調べることがある。もし共変なボゾン代数を用いて拡張されたボゾン代数の表現を作ることができれば、共変なボゾン代数を拡張されたボゾン代数の研究に利用することが可能であろう。また、2種類の共変なボゾンをbraidingという方法で結合し、あらたな共変な代数を作ることができる。この代数にはなにか物理的な応用があるのではないかと期待している。
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Research Products
(4 results)