2004 Fiscal Year Annual Research Report
フックス型方程式の大域解と線形偏微分方程式の局所解の研究
Project/Area Number |
15540156
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡田 靖則 千葉大学, 理学部, 助教授 (60224028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
石村 隆一 千葉大学, 理学部, 教授 (10127970)
渚 勝 千葉大学, 理学部, 教授 (50189172)
筒井 亨 千葉大学, 理学部, 講師 (00197732)
|
Keywords | フックス型方程式 / 線形偏微分方程式 / 超局所解析 / 第2超局所解析 |
Research Abstract |
実領域と複素領域の直積型空間上には正則パラメータ付きマイクロ函数を考えることができ、これらそのものが正則函数の境界値として与えられるが、もう一度その境界値を取ることで第2マイクロ函数等の第2超局所的な函数概念を得ることができる。正則パラメータ付きマイクロ函数は局所性を持つ函数概念であり、これに対する擬微分作用素の作用が層準同型をなすので、超局所的にかなり狭い集合でのみ楕円性をもつようなある種の線形偏微分方程式に対しても逆作用素の正則パラメータ付きマイクロ函数への作用を考えることで第2超局所的な解を構成でき、この構成法と、片岡による擬微分作用素の境界値の理論との関連を調べた。ただし、片岡の理論における古典性の保存が我々の方程式に応用できるかについてはまだ研究途上である。 一方、超函数の空間には位相は入らないが、一般的な原則として「核を持つ積分変換で表される線形写像はある種の連続性に似た概念で特徴付けられる」ことが期待され、また第2超局所的な積分変換の古典性とも関連すると思われる。そこで、超函数に対する核定理について調べた。古典的な超函数の空間を、一定の大きさをもつ有限個の固定した楔上の正則函数全体の空間を用いて境界値表示として表現することで、線形写像の「半連続性」という概念を導入し、この概念の下で核定理が成立することを示した。さらに、核の一意性、正則性についても調べ、「よい」写像を調べることと核を調べることとが同値であることを明らかにした。
|
Research Products
(2 results)