2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10037252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古島 幹雄 熊本大学, 理学部, 教授 (00165482)
高山 茂晴 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20284333)
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Keywords | アーベル多様体 / 格子 / トロイダル群 / 多重調和関数 / 調和関数 |
Research Abstract |
平成15年度に本科学研究費補助金のもとで、トロイダル群上の大域的な多重調和関数の性質を調べる研究を行った。その結果トロイダル群上の大域的多重調和関数の作る実線形空間は有限次元であることを明らかにした。この研究に用いた方法はトロイダル群上で無限回微分可能な関数をフーリエ展開し、多重調和関数が満たす微分方程式を満たすためのフーリエ級数の係数の満たすべき条件を求めることに帰着させる方法である。 トロイダル群の複素多様体としての構造は、トロイダル群を作る格子部分群の生成元の数論的性質に依存することが知られているが多変数正則関数とも密接に関係のある大域的多重調和関数の作る関数空間については格子部分群の生成元の数論的性質とは無関係であることがわかった。さらにトロイダル群上の大域的な調和関数の性質についても研究を進めた。多重調和関数とは異なり、大域的な調和関数のなす実線形空間は無限次元になることを証明した。 分担者高山茂晴は、トロイダル群上の位相的自明な直線束の正則切断の芽の層を係数とするコホモロジー群を調べている。これらの研究対象がトロイダル群を作る格子部分群の生成元の数論的性質に依存するかどうかが一番注目される点であるが、現在のところ部分的にしか解決出来ていない。 分担者古島幹雄は3次元トロイダル群のコンパクト化について研究を進めている。そのコンパクト化された多様体がアーベル多様体にならない場合に注目し、またそのコンパクト化された多様体上の大域的有理型関数の作る複素線形空間について調べている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hideaki KAZAMA: "Diophantine Approximations and Kodaira's Lemma"Kyushu Journal of Mathematics. 59(印刷中). (2004)
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[Publications] Shigeharu Takayama: "Local simple connectedness of resolutions of log-terminal singularitics"International Journal of Mathematics. 14・8. 825-836 (2003)
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[Publications] Shigeharu Takayama: "Seshadri constants and a criterion for bigness of pseudo-effective line bundles"Mathematische Zeitschrift. 243・1. 179-199 (2003)
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[Publications] Shigeharu Takayama: "Iitaka's fibrations via multiplier ideals"Trans.Amer.Math.Soc.. 355・1. 37-47 (2003)
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[Publications] Mikio Furushima: "On non-normal del Pezzo surfaces"Mathematische Nachrichten. 260. 3-13 (2003)