2004 Fiscal Year Annual Research Report
バナッハ空間の構造論とノルム不等式の研究及びその応用
Project/Area Number |
15540179
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 泰嗣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30001853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亮太郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50077913)
高橋 眞映 山形大学, 工学部, 教授 (50007762)
加藤 幹雄 九州工業大学, 工学部, 教授 (50090551)
|
Keywords | Geometry of Banach spaces / Hanner-type inequality / Uniform p-smmothness / Uniform q-convexity / Strong type-cotype / Univorm normal structure / Random Clarkson inequality / ψ-direct sums of Banach spaces |
Research Abstract |
研究課題「バナッハ空間の構造論とノルム不等式の研究及びその応用」について、研究代表者は、研究分担者の協力のもとに数々の成果を得た。これらの成果は、日本数学会、京都大学数理解析研究所研究集会、実解析シンポジウム、実解析学シンポジウム、関数空間セミナー、などで口頭発表、また、数理解析研究所講究録、北海道大学数学講究録、などの国内雑誌、及び、J.Math.Anal.Appl., J.Inequal.Appl., Math.Inequal.Appl., Colloq.Math.,などの国際雑誌で発表した(発表予定を含む)。以下に、その概要を述べる。 1.バナッハ空間の幾何学的性質は、ノルム不等式で記述される。L_p空間のノルム不等式として知られるHanner不等式からuniform 2-convexity, uniform 2-smoothnessなどが導かれるが、これらを拡張したHanner型不等式を導入することにより、uniform q-convexity, p-smoothness, non-squarenessなどの特徴づけを与えた。また、L_p空間においてHanner型不等式に現れる最良定数を決定した。 2.バナッハ空間の重要な性質である(Rademacher)type-cotypeより強いstrong type-cotypeの概念を導入し、L_p空間で知られるrandom Clarkson不等式、その一般化であるstrong random Clarkson不等式、などについて更なる拡張を試みた。 3.Clarkson型不等式を新たな視点から眺め、バナッハ空間の様々な性質を特徴づけた。また、ある種の関数を用いて空間の幾何学的定数を定義し、バナッハ空間の幾何学的性質の特徴づけ、及び、一様正規構造係数の評価を与えた。 その他、一般のノルム不等式やバナッハ空間のψ直和の幾何学的性質の考察、更に、ベクトル値関数に対するコホモロジー方程式、微分作用素のHyers-Ulam stability、など様々な応用を試みた。
|
Research Products
(12 results)