2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540183
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 健二 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (20306492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 信一郎 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30012347)
伊藤 雅彦 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (30348461)
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
木村 勇 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40082820)
矢野 公一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60114691)
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Keywords | 可換微分作用素系 / カロジェロ模型 / ジャクソン積分 |
Research Abstract |
研究代表者谷口は、今年度可換微分作用素系の対称性について研究を行った。カロジェロ・モーザー・サザランド模型(CMS模型)と呼ばれる完全可積分系は、ワイル群やリー環の対称性を持ち、そのポテンシャル関数はワイルの壁に沿って逆二乗の特異性を持つ。この研究では、対称性を一切仮定せず、ポテンシャル関数が超平面に沿った逆二乗型の特異性を持つことと、結合定数の非整数性のみを仮定したとき、どのような完全可積分系が存在しうるかを調べた。その結果、この2つの条件を満たすシュレーディンガー作用素と可換である非自明な微分作用素が存在するなら、後者の主表徴はワイル群または有限コクセター群の対称性を必ず持つことが極めて自然に導かれた。更に、この対称性が古典型ワイル群である場合には、ポテンシャル関数はCMS模型およびその一般化として既に知られているもの以外には存在しないことが証明された。 研究分担者伊藤は、今年度ジャクソン積分に関する研究を行い2つの主結果を得た。一つ目はBCn型ジャクソン積分の無限積表示公式のパラメータの個数による分類である。この研究の結果、BCn型ジャクソン積分は無限積の構造を持つ場合は、van Diejenの公式,Gustafsonの公式の2種類になることを示した。2つ目の結果はジャクソン積分の漸近展開に関するものである。ジャクソン積分の無限積表示を得るには、技術的に2つのことが必要になる。1つはパラメータに関する差分方程式を求めること。もう1つはパラメータを無限遠にしたときの漸近展開の主要項を求めることである。今年度の研究により、ジャクソン積分の漸近展開の主要項を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji Taniguchi: "On the symmetry of commuting differential operators with singularities along hyperplanes"International Mathematics Research Notices. To appear.
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[Publications] Masahiko Ito: "Symmetry classification for Jackson integrals associated with the root system BCn"Compositio Mathematica. 136. 209-216 (2003)
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[Publications] Masahiko Ito: "Convergence and asymptotic behavior of Jackson integrals associated with irreducible reduced root systems"Journal of Approximation Theory. 124. 154-180 (2003)