2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540187
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
土田 哲生 名城大学, 理工学部, 助教授 (10274432)
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Keywords | Green function / elliptic equation / periodic coefficients |
Research Abstract |
研究期間中に行った,周期係数をもつ二階楕円型微分作用素のグリーン関数の遠方での漸近形に関する結果について述べる.これは,研究課題であるシュレディンガー方程式の基本解の特異性を直接扱ったものではないが,漸近解析また超局所解析の観点からは同じ範疇に入り,ここでの手法は研究課題の遂行に応用されると考えられる.前年度において村田實教授と共同で,周期係数をもつ空間次元が2以上の二階楕円型微分作用素が自己共役である場合,連続スペクトルの下端より大きく十分それに近いエネルギーにおいて極限吸収されたグリーン関数の遠方での漸近形を求めた.証明は,ブロッホ変換された微分作用素について準運動量変数がゼロ付近の第一固有値の挙動とゼロ点の様子を調べ,解析的フレドホルム定理と留数定理により主要項を抜き出し,停留位相法によって漸近展開を得る,という方法である.今年度はこの方法の改良を行い,被積分関数に(x+i0)^<-1>を含む積分の漸近形を直接計算することで大変簡略化された証明法となった.更にその応用として,極限吸収原理の成立が他の方法(ムールの方法など)と比較して,簡単に証明された.さらに次元が1の微分作用素について,すべてのエネルギーにおいてグリーン関数を表示することを目指し,研究中である.研究費の主な使途は,東京工業大学での村田實教授との研究打ち合わせ,京都大学数理解析研究所での研究集会への参加,東京理科大学でのセミナーでの講演などの旅費,また偏微分方程式関係の文献購入や文献複写である。
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