2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540191
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
廣島 文生 摂南大学, 工学部, 助教授 (00330358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 恵一 摂南大学, 工学部, 教授 (50268489)
寺本 恵昭 摂南大学, 工学部, 助教授 (40237011)
島田 伸一 摂南大学, 工学部, 助教授 (40196481)
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 教授 (70282788)
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Keywords | 基底状態 / 漸近場 / スペクトル散乱理論 / 質量くりこみ / QED / 個数作用素 / Carlema作用素 / 重複度 |
Research Abstract |
量子場と荷電粒子相互作用系のハミルトニアンのスペクトルを非摂動論的に解析した。数学的には2つの無限次元ヒルベルト空間のテンソル積上に定義された自己共役作用素のスペクトル解析とみなすことが出来る。主に光子と電子がミニマルに相互作用した模型,及びスカラー場のネルソン模型に対して関数解析,汎関数積分を応用してこの研究を実施した。当初研究目的に掲げた項目は以下の4項目であった。(1)基底状態に含まれるボゾンの個数の評価,(2)ギブス測度のTightnessの証明,(3)切断のないハミルトニアンの基底状態の重複度の評価,(4)スピン系の模型のグリーン関数の減衰オーダーの評価。これらの項目に対する研究業績は以下である。 (1)については場の理論のスペクトル散乱理論における漸近場を応用して結果を導き, Regularities of ground states in quantum field models(共著) として論文にまとめ,現在,国際誌へ投稿中である。 (2)についてはポーラロン型のパウリーフィールツ模型に対して、熟半群を汎関数積分表示して非摂動論的な結果を得ることが出来,現在論文執筆中である。 (3)については2次形式(quadratic form)で定義されたハミルトニアンの基底状態の重複度を,今まで知られていない新しい方法で上から評価することが出来た.この結果は Multiplicity of ground states in quantum field models(単著) としてまとめ,現在,国際誌へ投稿中である.この結果を応用して,一般化されたスピンホゾン模型の基底状態の一意性を示すことが出来た。 (4)についてはO(N)スピン模型といわれる模型に対して結果をえることができ,共著で現在,論文を執筆しているところである. これらの研究を通して非相対論的量子磁力学の「質量くりこみ」に関しても結果を得ることが出来, Mass renormalization in nonrelativistic QED with spin 1/2(共著) としてまとめ現在,国際誌へ投稿中である。
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Research Products
(6 results)