2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540195
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長澤 壯之 埼玉大学, 理学部, 教授 (70202223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 教授 (90205295)
立川 篤 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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Keywords | 超曲面の発展方程式 / ウィルモア汎関数 / ヘルフリッチ変分問題 / クレブシュ・ゴルダン係数 / 分岐理論 / 中心多様体 / 粘性解 |
Research Abstract |
本研究では、超曲面の族に定義される汎関数に対する勾配流を考察した。勾配流は、汎関数の最急傾斜の方向に汎関数値を減らすように対象を変形させるもので、汎関数の臨界点を求める一つの方法である。問題を解析するにあたっては、汎関数の性質の解析が欠かせない。 ウィルモア汎関数に、超曲面の面積とそれが囲む領域の体積の指定した制限付極値問題は、赤血球の形状を決定するモデルの一つで、ヘルフリッヒ変分問題と呼ばれる。対応する勾配流をヘルフリッヒ流という。簡単な計算で球面が定常解になる事が分かる。長澤と高木は球面からの軸対称分岐解の存在とその安定性について結果を既に得ていた。本研究では、安定の解析が表現論に現れるクレブシュ・ゴルダン係数の挙動を調べることに関連する事を見出した。係数のある種の漸近展開を与え、それより分岐解の対価次数・不安定指数の評価を与えることが出来た。また、非軸対称分岐解の存在の有無を調べるための規約分岐方程式を導いた。この方程式を導くためには、多様体上の関数のヘシアンに関するある積分公式を示した。長澤と高坂は、ヘルフリッヒ流に関して、1.任意の初期曲面に対する時間局所解の存在と一意性、2.球面に近い初期曲面に対する時間大域解の存在、3.球面近傍の中心多様体の存在と次元の評価、等を得た。 阪本は、多様体の埋め込みから決まる法曲率テンソルの二乗積分で定義される汎関数の変分公式を導き、その停留点の構造を調べた。ウィルモア汎関数はその特別な場合である。柳田は、3種の物質の相境界を記述する曲線が満たす幾何学流を考察し、その定常解の安定性の判定条件を見出した。立川は、幾何学的変分問題から導かれる方程式の弱解の研究を継続中である。特に、フィンスラー多様体への調和写像の正則性の研究を行った。小池と有澤は、幾何学的発展方程式の粘性解による取り扱いについて検討中である。太田・下川は解の爆発の研究を継続している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Koike, A.Swie ch: "Maximum principle and existence of L^p-viscosity solutions for fully nonlinear, uniformly elliptic equations with measurable and quadratic terms"Nonlinear Differential Equations Appl.. (掲載予定).
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[Publications] K.Sakamoto: "Variational problems of normal curvature tensor and concircular scalar fields"Tohoku Math.J.(2). 55・2. 207-254 (2003)
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[Publications] R.Ikota, E.Yanagida: "A stability criterion for stationary curves to the curvature-driven motion with a triple junction"Differential and Integral Equations. 16・6. 707-726 (2003)
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[Publications] P.Polac ik, E.Yanagida: "On bounded and unbounded global solutions of a supercritical semilinear heat equation"Math.Ann.. 324・4. 745-771 (2003)
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[Publications] M.Arisawa: "Long time averaged reflection force and homogenization of oscillating Neumann boundary conditions"Ann.Inst.H.Poincare Anal.Non Lineaire. 20・2. 293-332 (2003)
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[Publications] M.Ohta: "Counterexample to global existence for systems of nonlinear wave equations with different propagation"Funkcial.Ekvac.. 46・3. 745-771 (2003)