2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井口 達雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20294879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 鉄朗 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10033929)
西畑 伸也 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (80279299)
隠居 良行 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (80243913)
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Keywords | 水面波 / KdV方程式 / Kawahara方程式 / Benjamin-Ono方程式 / Navier-Stokes方程式 / 双曲型-放物型方程式系 / 長波近似 / 群対称性 |
Research Abstract |
単調な孤立波解を記述するKdV方程式や、振動する孤立波解を記述すKawahara方程式は、水面波の方程式の長波近似として導出され、これまでにその導出の数学的な正当性が与えられている。水面波の方程式を無次元化するとδおよびεという無次元パラメーターが現れる。これらは、それぞれ水深と波長の比、および振幅と水深の比で定まる無次元量である。長波近似はδ→0という極限に対応しているのだが、さらにε=δ^2→0がKdV近似、ε=δ^4→0がKawahara近似に対応する。また、ε=δ→0という極限をとるとBurgers方程式が導出されるのだが、水面の上にある大気の運動も考慮に入れた二層問題を考えるとBenjamin-Ono方程式が導かれる。その形式的な導出は既に知られていたが、数学的に厳密な正当性は議論されていなかった。そこで、そのBenjamin-Ono方程式の導出の数学的な正当性をSobolev空間の枠組みで与えた。 研究分担者の宮川は、2次元空間における非圧縮性粘性流体に対するNavier-Stokes方程式の初期値問題を全空間の場合、および単位円の外部領域の場合に考察し、その解の群対称性と時空間減衰率の関係を明らかにした。また、2次元外部領域における非圧縮性完全流体ついて、対応する圧力項の二乗可積分性と流れが物体に及ぼす力の総量との関係を明らかにし、得られた条件をみたす流れが、ある対称性の下に多数構成できることを示した。 研究分担者の隠居は、ある準線形双曲型-放物型方程式系を考察し、n次元空間の一般の領域における初期値境界値問題の時間局所可解性を証明した。そこで考察した方程式系は、単独の輸送方程式と強放物型方程式系とからなる連立系で、圧縮性Navier-Stokes方程式を典型的な例としてもつ。また、半空間における圧縮性Navier-Stokes方程式を流出境界条件のもとで考察し、平面的定常解の十分小さな撹乱に対する安定性を証明した。
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Research Products
(6 results)