2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540201
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
上村 豊 東京海洋大学(東京水産大学), 海洋科学部, 教授 (50134854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 主恵 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (10318800)
坪井 堅二 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50180047)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
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Keywords | 非線形問題 / 逆問題 / モデル方程式 / 生物個体数 |
Research Abstract |
本研究の目的は非線形問題に対し,逆問題の視点により観測データから非線形性や支配方程式を決定するスキームの開発と応用にある.研究初年度にあたり次の問題を考察し,記載の結果を得た. 1.生物個体数モデルの非線形の動力学を定める問題 生物個体数モデルの非一様な増殖率が与えられたとき,パッチの中心個体数とパッチの大きさの関係を観測することにより,その生物の増殖の非線形の動力学を定める問題を考察し,次の結果を得た:(1)任意に与えられたパッチの中心個体数とパッチの大きさの関係を実現する動力学が存在する.(2)そのような動力学の自由度は有限偶数の任意性(自由度)を持ち,その次元は増殖率の非一様性によって定まる.(3)特に増殖率がパッチに関し一様である場合には動力学は一意に定まる. 2.温度分布から海洋循環を推定する問題 海洋循環による熱量の輸送の定常の状態を記述するモデル方程式を導くために境界条件について考察し,海洋循環が熱の輸送に及ぼす影響の基礎研究を行った.興味深い数理構造が観察され次年度以降の課題が得られた. 3.個体数抑制モデルのカオス 差分方程式の非線形性の生ずるカオスと非線形性の関係を調べるために,捕食による個体数抑制のモデルがどのよう年カオスを引き起こすのかについて研究し次の結果を得た:(1)捕食による個体数抑制モデルのカオスは大小2つのカオスが絡み合った形で実現される.(2)捕食の効果が大きくなると大きいカオスが消滅する現象が明確に説明できる.この研究も次年度以降の発展が期待される.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 上村 豊: "逆問題との交差"数学セミナー. 43 no2. 21-25 (2004)
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[Publications] K.Nakashima: "Multi-layered stationary solutions for a spatially inhomogeneous Allen-Cahn equation"Journal of Differential equations. 191. 234-276 (2003)