アノソフ葉層の量子化と非可換幾何学

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15540203
• Research Institution: Nagoya Institute of Technology
• Principal Investigator: 夏目 利一 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00125890)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森吉 仁志 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00239708) ; 中村 美浩 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (50155868) ; 足立 俊明 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60191855)
• Keywords: アノソフ葉層 / C*環 / 量子化 / 非可換幾何学

Research Abstract

本年は2年計画の初年度にあたる。本研究の目的は研究分担者・森吉仁志との論文「The Godbillon-Vey cyclie cocycle and longitudinal Dirac operators」およびコペンハーゲン大学のR.Nestとの論文「Topological approach to quantum surfaces」で得られた結果の量子化版を得ることである。非可換リーマン面の「単位接バンドル」上に非可換アノソフ葉層を構成する。非可換アノソフ葉層はリーマン面の単位接束の測地流に付随したアノソフ葉層の厳密量子化と考えられる。非可換アノソフ葉層に対して葉層指数定理を示すことが研究目標である。
R.Nestとの予備的研究において種数2以上の閉リーマン面の単位円束の厳密量子化(「Strict quantization of symplectic manifolds」参照)として非可換3次元多様体を構成した。この非可換3次元多様体は、閉リーマン面とその単位円束の間に適当な群作用を通して成立する性質を保つ形で構成された。さらに葉層構造という多様体上の構造を作用素環の世界でどう捉えればよいか凡その見通しが立った。今年度当初の目標は上記予備的研究で得られた結果に数学的に厳密な証明を与えることであり現在論文にまとめている途中である。可換な場合から予測されるように、非可換葉層の「葉」に相当するC*環は上記Nestとの論文で得た量子化された曲面の「被覆空間」であり、量子曲面上のDirac作用素を持ち上げ葉に沿った楕円型作用素を構成できる見通しがたった。

Research Products

• [Publications] T.Natsume, R.Nest: "Strict quantization of symplectic manifolds"Letters in Mathematical Physics. 66. 73-89 (2003)
• [Publications] T.Natsume, C.L.Olsen: "A new family of noncommutative 2-spheres"Journal of Functional Analysis. 202. 363-391 (2003)
• [Publications] T.Adachi, S.Maeda: "Lamination of moduli space of circles and their length spectrum for a Non-flat complex space form"Osaka Journal of Mathematics. 40. 895-916 (2003)
• [Publications] T.Adachi, S.Maeda: "Circles and hypersurfaces in space forms"Memoirs of Faculty of Science and Engineering, Shimane University, Series B, Mathematical Science. 1-9 (2003)