2004 Fiscal Year Annual Research Report
時間とともに動く境界をもつ非柱状領域における発展方程式の解の大域的挙動の研究
Project/Area Number |
15540213
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山口 勝 東海大学, 理学部, 教授 (10056252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 豊博 東海大学, 理学部, 教授 (00112772)
伊藤 達夫 東海大学, 理学部, 教授 (20151516)
田中 實 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
松山 登喜夫 東海大学, 理学部, 教授 (70249712)
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Keywords | Klein-Gordon方程式 / 自由振動 / 周期解 / Diophantine Condition / Suspended String / 連分数 |
Research Abstract |
本年度は次の結果を得た。 1.空間次元が1の場合のKlein-Gordon方程式の自由振動(Free Vibration)を研究し無限個の時間周期解の存在を示した。この結果は、昨年度の非線形波動方程式の自由振動の研究において開発された方法を用いて証明された。その際、境界の2端点がともに同一周期で周期的に振動する場合を扱わなくてはならないので、1次元K-G方程式に対応する2つの常微分方程式よりなる方程式系を考察する必要がありこの点で昨年度の方法がそのまま適用できないのでいくつかの工夫が必要である。数論に関する条件は質量の存在により非線形波動方程式の場合より簡単になる。この結果は既に公表されている。 2.昨年度に引き続き、重くてしなやかな弦を吊り下げた場合の弦の振動を研究し以下の結果を得た。昨年度は線形の方程式の強制振動を考察したのに対し、今年度は時間に独立な非線形の外力項をもつ方程式の自由振動を考察し無限個の時間周期解の存在を示した。この方程式は波動方程式やK-G方程式と異なり、主要部が退化しておりこのため解が特異性をもちうる。このため基礎の空間が通常のルベーグ空間やソボレフ空間では方程式を扱えない。このため我々はこの方程式の周期問題によくマッチする新しい空間を定義しこれらの空間の構造を研究した。さらにこの空間の上でGagliardo-Nirenbergの不等式の一般化、及びMoserの不等式(修正型)を示した。また不本意な点として方程式の主要部の形により固有値の数論的性質が複雑になり弦の密度に制限を設ける必要があった。この条件の下で、2次の代数的数と連分数を用いて非可算濃度をもち非有界で稠密な周期の集合を構成した(投稿予定)。
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Research Products
(6 results)